浅倉秋成「フラッガーの方程式」読了。
AI主催の無理矢理参加させられるフラッシュモブみたいなものかな。高校生の東條涼一はある日フラッガーシステムのモニターになりませんかと話しかけられます。フラッガーシステムとは誰もが主人公になれるシステム。電波で人の行動をコントロールする仕組みです。主人公になった人のフラグを読み取りAIがストーリーを組み立てます。で、そのベースが深夜アニメ。シナリオ300本内蔵のうち299本が深夜アニメだそうで。何で深夜アニメなんだと聞く涼一にシステム開発者の村田はじゃあテロリストと戦ったり、上半身裸で機関銃をぶっ放したりしたいですか？と。なるほど、日常に特化したほのぼののほうがいいですね。結局涼一は一生仲良くなることもないであろうクラスの気になる女の子と親しくできればいいやとシステムを受け入れます。
しかしシステム開始と同時に両親が海外に転勤したり、女の子の同居人が来たり、金持ちの生徒会長に言いよられたり。魔術研究会に無理矢理入れられたり散々な目にあいます。うわー、あるあるが怒濤だ。ようやく気になる女の子と話せたと思ったらまだ半分を過ぎたところ。ん、早いな。まだ何か問題が？するととんでもない問題が。涼一君は無事感動のフィナーレを迎えることができるのか。一見支離滅裂な物語が最後に次々伏線を拾っていく様が圧巻です。