陸秋槎「文学少女対数学少女」読了。
最初タイトルを見てひかれたものの、中をパラパラめくって、えっ?。中国の話だ。登場人物が覚えられないよ。生活習慣が違ってわからないよ。と思いつつやはり気になるので読むことに。あれ、読みやすい。講談社オレンジ文庫でもいいぞ(何故それ?)。名前は覚えられないけど誰が誰かはわかるし。そう言えばライトノベルに中華宮廷ものもあるしね。生活はほとんど変わりません。なるほど違うと思ったのは、数学少女の采盧がとった数学の賞でフランスに行った宿で名物のタルタルステーキが出た時、温かいものしか食べない我が国の人間としては酷刑だと頼み込んでハンバーグにしてもらっていました。
うん、読みやすい、いや読みにくい(どっちだ)。うーん、これは。日本で言う新本格です。それも法月さんや麻耶さんとかの実験系。慣れていない人には訳がわからないし、放り投げられる感覚だけど読んでいる人には馴染みがある感覚。あとがきを読んで納得。新本格は中国に輸出されていたのね。作者はすごく日本の新本格に詳しいです。大学時代には犯人当てをしていたと言うし。後期クイーン問題への挑戦でもあります。シリーズ名は「貴族探対女探偵」へのオマージュ。解説も麻耶雄嵩さんです。
中には作中作として4つの犯人当てが含まれます。すごい作品が出ているのね。中国はSFもすごいのが出ているというし、とんでもない巨大市場になるかもしれません。たまには読んでみよう。