天祢涼「謎解き広報課 わたしだけの愛をこめて」読了。
田舎の町役場に就職した都会育ちの新藤結子。結子が配属されたのは広報課の第3段です。毎月「こうほう日和」を作る仕事ですが、毎回何らかの問題が起こります。地方の広報課のドタバタを描いた話かと思っていましたが、結構地方行政の問題が浮き彫りに。で、第2弾が出た時また色々問題が起こるんだろうなくらいに思っていて、積んでるうちにこの第3弾が。あまりに期間が短かったので「あ、まだ売れているんだ」と思って買い損ねるところでした。そこで第二弾を読んだ時地元の地元意識にびっくり。そこまで編入組を嫌がるかと。とっても骨太な話で後から考えたとは思えない話でした。そして今回の第三弾。いきなりですか。これはこの話を書くため前2作があったのかもと。あとがきを読んで納得。最初から三部構成で考えていたとのこと。しかし問題は第1作が売れないと2作目3作目ができないことをデビューしたての作者はわからなかったと。第1作が売れず力不足を感じていたら、2023年に千葉県近辺の書店員が選ぶ「酒飲み書店員大賞」を取って重版がかかったと。その時二作立て続けに書かせてもらうことにしたと。私も「酒飲み書店員大賞」のみなさまに感謝。えーと、今回は大震災にあって広報課がどう動いたかのお話です。すべてダメになって広報どころじゃないと落ち込んだり、でも今を残して欲しいと住民たちの声が上がったり。あの天敵みたいな町長がしおらしく見えるという不思議。上司が何故広報を手伝ってくれなくなったのかの謎も解明されます。うん、とても嫌なことだけど些細なことも記録して欲しいです。もう三作まとめて読むことをおすすめします。
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