「戦場から妻への絵手紙展」と「ヨシタケシンスケ展かもしれない」に行ってきました。
「戦場から-」日本画家の前田美千雄さんが戦場から家族に宛てた絵手紙の展覧会です。美千雄さんと奥さんとは親が決めた許嫁同士。でも奥さんは美千雄さんのために日本画を描く準備とか色々勉強します。1年の兵役が済んだら結婚と言っていたのに日中事変が始まって兵役が4年延び、帰って来てから結婚。するとすぐに再召集が。そしてそのまま美千雄さんはマニラで戦死。奥さんは空襲の中トランクに入れた絵手紙を抱えて防空壕に。守り抜きます。戦争がひどいよ。でも絵手紙の内容は穏やか。フィリピンのハイビスカスが綺麗でした。
「ヨシタケシンスケ-」完全予約制なのにすごい人。子供連れが多かったです。原画展かと思ったらコンセプトが多かったかな。膨大なメモの数。しかもイラストも文字も小さい。絵本が読みたかったけど人の多さに諦めました。あちこちに飾ってある変なものに笑い、独特な写真スポットに笑い、どうでもいいメモの膨大さにあきれて笑い、楽しい展覧会でした。
ほしおさなえ「言葉の庭のお菓子番 森に行く夢」読了。
前回で十二か月のお菓子は一周したので終わりかなと思っていましたが、そういう手がありましたか。同じだったり別のだったりで続いています。初心者だった一葉も今や初級者。ベテランの句に感心したり新人の斬新な句に驚いたりしています。ようやく連句の世界も見えて来だしました。句集って個人のものだったり、同じものを読んだりしますが、皆で世界を作るというのがいいです。前の句とは付いて前の前の句とはできるだけ離れる。そうしてどんどん世界を大きくしていくのね。一周半の世界です。ほしおさんの世界は身近だけど気づかない色々なことに気づかされます。世界が親だけの頃、親が完璧でないと気付くのは怖いかもしれません。
「生誕100年 山下清展」に行って来ました。
東洋のゴッホとか言われ、ドラマなどで有名になったため知名度は高いのですが正式な美術教育を受けていなかったり素材がはり絵であったため美術的な評価は低かったとありました。そうなのか。今ではすごい値段になっていますが。有名な長岡の花火もすごいですが、ヨーロッパ旅行の貼り絵がすごい。細かいし美しいです。もったいないのは古い作品が品質の悪い紙のためかかなり色が落ちていること。とても細かいのでこれ元の色だとすごくきれいだったんだろうなと。紙をこよりにしているので特に針葉樹がリアルでした。焼き物も素敵です。
ヨーロッパ旅行は先生と呼んでいる人と回っています。スイスの高級時計店で金魚鉢に金魚と時計が入っていたそうです。先生、スイスでは金魚も時刻を見るのですか?先生は時計の防水を見せるためと答えていたような。時間を見る金魚いいですね。そろそろご飯の時間だとそわそわするのね(感想が絵と離れているぞ)。