自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆平和で一人ひとりが輝く「令和」を願う

2019年04月01日 | ⇒メディア時評

     「大化」(645年)から248番目の元号が「令和」に決まった。午前11時35分から総理官邸で開かれた会見で、菅官房長官が墨書を掲げて新元号を公表する様子をネットの動画中継を観ていた。なんと平和なことか。昭和、平成、そして令和の時代を生きることは喜びではないかのか、ふと気づかされた。平成の世と同じく、令和も戦争のない平和な時代であってほしいと願うばかりだ。

  令和は万葉集の梅の花の歌三十二首の序文にある『初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす』から引用したもの(菅官房長官の説明)。万葉集は1200年前の奈良時代に編纂された日本最古の歌集である。この万葉集の序文を読み解いてみる。「初春の良い月に さわやかな風が心地よく吹いている 梅の花は鏡の前の白粉(おしろい)のように美しく咲いて」と、ここまでは読める。しかし、「蘭は珮後の香を薫らす」の「珮後(はいご)」の意味がよく分からない。「珮」は腰帯とそれにつりさげた玉・金属などの総称とある(三省堂『大辞林』)。「蘭は腰帯に付けた香りの飾りのように薫っている」という意味だろうか。

  自然と人の営みを美しく表現している歌だと思う。この序文の中の「令」と「和」を取って令和とした。安倍総理は記者会見で、「春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように一人ひとりが明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いを込めて決定した」と述べた。

  知人に「令和」の印象をメールで送った。「この言葉に込められた意義がすこし分かりにくいと感じながらも、語感とするとスマートな感じがします」と。さっそく返信があった。「『令』という字がちょっと冷たい感じがするものの、『和』があることでバランスがとれているかな、というのが最初の印象です。たしかにスマートですね。首相談話を読んで、日本人としての誇り、世界の平和を希求する心が感じられ、心が豊かになるように感じました。そして、この令和の書体が大好きです。平成のときの書体はどうしても好きになれなかったのですが、この書体もあって、個人的な好感度がアップしました。」と。

  厳しい寒さの後に咲き誇る梅の花のように、未来への希望とともに、一人ひとりが輝く国であってほしい。(※写真・上は総理官邸ホームページより)

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