自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★能登震災から280日余り 変わる風景・変わらぬ風景~風車停止、転落車そのまま~

2024年10月11日 | ⇒ドキュメント回廊

      元日の地震の被災地をさらに記録的な豪雨が襲い、多くの住宅が損壊した。これまで自治体は災害ごとに罹災証明書を発行していた。この場合、判定結果によって公費解体や生活再建支援金給付の対象にならないケースもある。そこで、石川県では内閣府と協議し、地震と豪雨の二重被災を一体的に扱うことで、被害認定を迅速にそして被災者への支援を拡充できるようにした(11日付・地元メディア各社の報道)。たとえば、地震で公費解体から除外されていた「準半壊」の家屋が豪雨で浸水によって「一部損壊」となった場合、被害を加算して「半壊」扱いとする。これによって公費解体が行われるようになり、生活再建の支援も手厚くなる。県と内閣府と協議がスムーズに行われたことは、石破総理による能登視察(今月5日)の成果の一つかもしれない。

  話は変わる。能登半島を縦断する自動車専用道路「のと里山海道」を走行すると、震災直後と変わらぬ風景がいくつか見えてくる。その一つが山並の山頂にある停止した状態の風力発電の風車だ=写真・上、9月10日撮影=。金沢から走行すると横田ICの手前に見える風景はまるで、「山頂の一本足のカカシ」ではないかと。メンテナンスを施して順次稼働させればよいのではと考えるが、風車は山地にあり、たどり着くまでの山の道路に亀裂ができたり、土砂崩れなどで寸断されているのだろう。風力発電が立地する場所は珠洲市が30基、輪島市が11基、志賀町が22基、七尾市が10基で、いずれも震度6弱以上の揺れがあった地域だ。そのうち再稼働しているのは、志賀町にある日本海発電(本社・富山市)の9基を含めて10数基ではないだろうか。記録的な豪雨でさらに山道が崩れメンテが難しくなっているところがあるのかもしれない。

  横田ICを過ぎてしばらくして見えてくるのが、アスファルト道路に大きなひび割れが入り陥没した風景だ。崩落した道路を走行した乗用車が転落した現場はいまもそのままの状態だ=写真・下、8月8日撮影=。道路から転落した車の風景だ。のと里山海道を走行していると見えるので、自身を含めて多くの人が「いつになったら車体を引き揚げるのか」「なぜ片付けないのか」などと思っているに違いない。むしろ、車の所有者と道路を修復している国交省の間でどのようなやり取りが交わされているのか。ある意味で不思議な風景ではある。(※写真・上と下の風景は今月9日に確認。そのままだった)

⇒11日(金)夜・金沢の天気    はれ

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