自在コラム

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★「防災庁」設立を石破総理が所信表明 あす能登視察で切なる叫びを聴いてほしい

2024年10月04日 | ⇒ドキュメント回廊

  きょうも石川県内は全域で雨模様だ。能登では先月の記録的な大雨や元日の能登半島地震の影響で地盤が緩んでいるところがあり、半島尖端の珠洲市ではいち早く昨夜、雨が強まり土砂災害のおそれがあるとして、市内の大谷、若山、清水、仁江の4地区の534世帯996人に避難指示を出し、早めの避難を呼びかけている。

  余談かもしれないが、珠洲市は先手を打ち、行動が実に速い。元日の震災後に仮設住宅の建設を進める石川県に対し、世界的な建築家で知られる坂茂(ばん・しげる)氏に珠洲市での仮設住宅の建築設計を依頼してほしいと要望したのは同市の泉谷満寿裕市長だった。その要望が実り6棟90戸が完成した。県産のスギを使い、木のぬくもりが活かされた内装となっている。同市の観光名所である見附島の近くあり、外装の色合いも周囲の松の木と妙にマッチしていて、まるで別荘地のような雰囲気だ。

  そして、去年5月5日に最大震度6強の揺れに珠洲市は見舞われた。この地震で死者1人、負傷者数48人、住宅の全半壊131棟の被害が出たが、その年の秋に開催した「奥能登国際芸術祭2023」(9月23日-11月12日)を無事やり遂げた。当時、市議会では、震災復興を優先して開催経費(3億円)をこれに充てるべきとの意見や、行政のマンパワーを復旧・復興に集中すべきとの意見が相次いだ。泉谷市長は「地域が悲嘆にくれる中、目標や希望がないと前を向いて歩けない。芸術祭を復興に向けての光にしたい」と答弁し、予定より3週間遅れで開催にこぎつけ、14の国・地域のアーティストたちによる61作品が市内を彩り、大勢の鑑賞者が訪れた。

  ちなみに、自身が初めて泉谷市長と関わりを持たせていただいたのは2006年6月の市長選で初当選されてまもなくのころだった。当時、金沢大学の地域連携担当スタッフだった自身は、生物多様性をテーマとした環境保全プロジェクト「里山里海自然学校」(三井物産環境基金)を泉谷市長に提案させていただいたのがきっかけだった。市内の小学校の空き校舎を無償で貸与していただいた。その後、金沢大学から5名の教員スタッフが常駐し、環境境保全型の農林水産業を実践的に学ぶ人材育成プログラムを実施、現在も「能登里山里海SDGsマイスタープログラム」として継続している。これまで述べた国際芸術祭や世界的な建築家、大学との関わりなどから、能登の尖端にありながら、時代の先端を走る珠洲というイメージを持つ県民は多い。ましてや震度6強の地震に2度も見舞われながら。

  石破総理はきょう衆院本会議で所信表明演説を行い、この中で「防災庁」の設立に向けて、専任閣僚を置くよう準備を進めると述べた。また、発災後速やかにトイレ、キッチンカー、ベッド、風呂を配備する官民連携体制を構築する。防災庁の具体化に向けて、ぜひ本庁をとは言わないが、拠点を能登に置いて珠洲市などの取り組みと連携してほしいと願っている。石破総理はあす5日に能登を視察する予定だ。ぜひ、被災者の切なる叫びを聴いてほしい。(※写真は、きょう4日の衆院本会議での石破総理の所信表明演説の様子=総理官邸公式サイトより)

⇒4日(金)午後・金沢の天気   あめ時々くもり


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