自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆能登の二重被災と総選挙~仮設住宅で期日前投票、出口で聞き取り~

2024年10月21日 | ⇒ドキュメント回廊

  きょう21日は奥能登の「記録的な大雨」から1ヵ月となる。石川県のまとめによると、住宅の床上浸水などの被害は1487棟に上る。これにより、輪島市と珠洲市、能登町の3市町で合せて434人が避難生活を続けている(今月18日時点)。豪雨の影響で輪島市と珠洲市で断水が起きていて、両市で合せて1000戸余りにおよぶ。今回の能登豪雨ではこれまでに14人が死亡、1人の行方が未だ分かっていない。地元メディアによると、輪島市役所ではきょう午前9時30分、市長や職員が犠牲者に黙とうを捧げた。先月21日の午前9時22分までの1時間に降った雨の量が輪島市で観測史上最大の121㍉に達し、犠牲者が出たことからこの時間での黙とうを設定した。

  話は衆院選に。輪島市町野町の仮設住宅「町野町第2団地」(268戸)できょう期日前投票所が設けられた。現地を見に行った。町野町ではこれまで、市役所の支所で期日前投票が行われていたが、今回の豪雨で床上浸水となり使えなくなり、仮設住宅の集会所に期日前投票所が設けられた。訪れた人たちはこれまでとは少々狭い場所ながら1票を投じ=写真=、出口で知り合いと出会うとあいさつを交わしていた。投票所には仮設住宅だけでなく地域の有権者も訪れている。

  現地に出向いた動機に「出口調査」を試みたいとの思惑があった。仮設住宅に住む人たちはこの選挙をどう思い、誰に投票したのか、そんなことが知りたかった。そこで、投票を終えた人に声かけし、石川3区の候補者のポスター掲示板を撮影し画像をプリントしたものを見せて、投票した候補者を指差ししてもらった。何人にも断れたが、男女それぞれ5人に応じてもらった。立候補しているのは、3選を目指す自民前職の西田昭二氏(55)、4選を目指す立憲民主前職の近藤和也氏(50)、共産新人の南章治氏の3氏(69)。近藤氏は2回連続で西田氏に敗れたたものの、比例代表で復活当選している。

  「出口調査」と述べたが、対象はわずか10人なので調査としてはデータ不足でもあるので、「出口聞き取り」との表現が適切だ。その結果は、近藤6票、西田4票だった。女性5人は全員、近藤氏を指差した。男性は4人が西田氏を、1人が近藤氏を指さした。その理由も尋ねた。女性は「地震と大雨の能登を任せるのはなるべく若い人がいい」「近藤さんは仮設住宅を訪れ、私たちの不満などに耳を傾けてくれている」「(地震と豪雨の二重被害では)立民と自民が協力してほしい。自民にハッパをかける意味であえて近藤さんに入れた」と話してくれた。一方、西田氏に入れた男性は「(能登の二重被災には)自民がしっかりしてもらわないと困る」「復興復旧をはやく進めるために自民の国会議員にはがんばってほしい」「国への要望などパイプ役を西田氏は担っている」と述べた。

  仮設住宅のある地域に住民票を移していない人も多いことから有権者であれば誰でも投票できる期日前投票所を仮設住宅に設けた。ここでの期日前投票はあす22日も午前9時から午後4時まで行われる。23日以降は輪島市町野小学校に場所を移す。

⇒21日(月)夜・金沢の天気   はれ

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