自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★能登の二重被災と総選挙~3候補者それぞれの被災体験~

2024年10月18日 | ⇒ドキュメント回廊

  元日の地震と9月の記録的な大雨に見舞われた選挙区である石川3区で立候補している3人はそれぞれが被災者でもある。これまで地元メディアで3氏が語った被災体験をピックアップしてみる。

  自民の前職の西田昭二氏は元日に地元七尾市内などでの街頭演説を終え、買い物をしていたときに揺れが襲った。市内の自宅は屋根瓦が落ちるなどの中規模半壊となった。しばらく家族とともに親族宅に身を寄せ、今は仮設住宅に入った。被災地をめぐり惨状を目にした。生活再建の支援策をめぐって被災者から辛辣な言葉を投げられたこともある。むしろ、そうした声を真摯に受け止め、国に伝えるパイプ役がこそが自らの役割と言い聞かせ、公費解体の加速化や液状化対策などの課題を関係省庁に訴え調整してきた。

  立憲民主の前職の近藤和也氏は、被災地の能登でなぜ今、選挙をしなければならないのか疑問を持って、選挙に臨んでいる。能登半島の先端にある須須神社で元日の初詣をして、七尾市への帰り道で妻子とともに被災した。場所は穴水町のガソリンスタンド。その日の夜になんとか七尾にたどり着き、町内の避難所に行く。仕切り役が不在で自らトイレや寝床の確報に奔走した。東日本大震災などの被災地で経験したことが役立った。これまで能登の仮設住宅をすべて回り、困りごとなど聞いてきた。給付金など実現できたこともあるが、やらねばならない課題が山積している。

  共産の新人の南章治氏は、金沢市と隣接する内灘町の自宅で被災した。内灘は液状化現象が激しく住宅や道路などで多数の被害が出た。震災の翌日には車を走らせ、羽咋市の党事務所で仲間の安否確認から始めた。この間、支援物資の提供や被災者の要望を聞いて回った。発生から1ヵ月もたたないとき、目を疑ったことがある。奥能登のある1次避難所を訪れたとき、冷たい弁当すらない現状だった。東日本大震災の対応より後退していると思った。被災地の人々は一緒に精神的打撃を受けたのに、建物の被害判定で支援の幅が異なることを歎く被災者の姿も見てきた。

  選挙という枠では票数が基準となるが、3氏のそれぞれの被災経験、そして被災地や避難所での活動には政治の枠を超えた「人道」を感じる。こうした体験や感性を今後、政治に活かしてほしいものだ。

⇒18日(金)午後・金沢の天気      くもり 


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