きょう金沢市内で、きたる参院選挙での候補者ポスターの掲示板が設置されているのを見かけた=写真=。選挙日程は閣議決定されていないが、今月22日に公示され、7月10日が投開票の見通しとメディア各社が報じている。掲示板が設置されているのに気が付いたのは金沢歌劇座のバス停の付近。きのう夕方通ったときはなかったので、設置作業はきょう始まったのだろう。選挙が動き始めた。
ことし石川県内は選挙ラッシュだ。3月13日は県知事選と金沢市長選、そして同市議補選のいわゆる「トリプル選挙」、4月24日は参院石川選挙区の補欠選挙、5月22日は能登半島の先端で珠洲市長選が行われた。そしていよいよ国政選挙なのだが、参院選に対する有権者の関心度は高いだろうか、投票行動はどう動くのか。
実は、4月24日の参院補選の投票率は惨たんたるものだった。参院比例区の自民党議員が選挙区補選に鞍替えで立候補し、立憲民主や共産など野党の新人3人を破って当選したが、投票率はこれまで最低の29.9%、大票田の金沢市では22.9%だった。先の知事選(3月13日)61.8%と比べると、その半数にも満たない。この投票率の低さをどう読むか。民意に潜む本音をあえて語れば、議会制民主主義は国家の基本なのだが、「はたして参院は必要なのか」と参院無用論の声もあるのではないだろうか。
参院は「良識の府」と学校で教わるが、タレント議員の巣窟と化しているという違和感があるのではないだろうか。参院比例区で2001年から非拘束名簿式が採用されていて、候補者の氏名を書いても政党名を書いても、その政党の得票となるので、知名度のあるタレントや著名人を候補者に擁立するケースが目立つようになった。一方で、志を抱いたタレント議員の存在は政治を身近に感じさせてくれるという前向きの意見もある。
もう一つ。これも学校で教わるが、「衆院の優越」だ。法律案が衆院で可決し、参院がこれと異なった議決をした場合、衆院において出席議員の3分の2以上で再び可決すれば法律となる。予算案も最終的に衆院の議決が国会の議決となる。だったら、国会は衆院一院制でよいのではないかと考えてしまう。ただ、衆院解散中は参院も同時閉会となるが、国に緊急事態が生じた場合は、内閣の求めにより参院の緊急集会が開かれ、国会の機能を果たすことになる。そろそろ、賛否を含めて参院の有り様について議論する時期に来ているのではないだろうか。
⇒9日(木)夜・金沢の天気 くもり
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