イギリスのザ・ビートルズの最後の新曲が、日本時間の2日夜にリリースされ、ニュースで大きく取り上げられている。曲名は 「Now And Then」。ジョン・レノンが生前、ニューヨークの自宅でピアノを弾きながら歌って録音した音源がもとになっているという。このデモテープの音源に、AIを使って歌声だけを取り出すことに成功。これをもとにポール・マッカートニーとリンゴ・スタ-が、ボーカルと演奏を加えて完成させた。 ザ・ビートルズとしては、27年ぶりの新曲となった。
本場イギリスのBBCニュース(2日付)も「The Beatles' last song Now And Then is finally released」(意訳:ザ・ビートルズのラスト・ソング「Now And Then」がついにリリースされる)の見出しで報じている=写真=。それによると、この物語は1978年、レノンがニューヨークの自宅でボーカルとピアノのデモを録音したことから始まる。1980年、ニューヨークの自宅前で凶弾に倒れる、未亡人のオノ・ヨーコはこの録音カセットを残っていたビートルズのメンバーに渡す。
そのカセットには「Free as a Bird」と「Real Love」のデモも収録されていて、1995年と96年にそれぞれシングルとしてリリースされた。「Now And Then」のレコーディングも試みられたが、録音の品質が低かったことから、困難と判断された。ポール・マッカートニーはそのカセット手放さなかった。
その後、ザ・ビートルズのドキュメンタリー映画『Get Back』を制作した映画会社が、重なり合う音の混ざった録音を「デミックス(分離)」できるソフトウェアを開発。オリジナルのカセット録音からジョン・レノンの声を「持ち上げる」ことができ、バックグラウンドの音を取り除くことに成功し、今回のリリースにこぎつけた(BBCニュース要約)。
では、「Now And Then」の日本語の意味はどうなのか。歌詞の一部には「Now and then I miss you Oh, now and then I want you to be there for me」とある。「時には」か、「たまには」か、「時に感じる」か、訳すとなると表現がいろいろある。
かつて、ビートルズ研究家の講演で聴いた話だ。ジョン・レノンはオノ・ヨーコと出会ってからインド哲学など東洋思想に興味を抱き、1968年にはインド旅行で瞑想修行を体験し、禅など仏教の世界観にも惹かれたようだ。そう聴くと、1970年にリリースされた「Let it be」はなんとなく仏教の雰囲気も漂う。以下、勝手解釈で「Now And Then」の「Then」を「禅」と置き換えると、禅の表現の一つである円相をイメージする。円は欠けることのない無限を表現する、つまり宇宙を表している、とされる。「Now And Then」は「Now And Zen」ではないのか、そう考えると、この曲に深みが湧いてくる。もちろん空想にすぎない。
⇒3日(金・祝)夜・金沢の天気 はれ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます