国土交通省はきょう19日、都道府県の地価調査(7月1日時点)を公表した。全国平均の住宅地はプラス0.7%、商業地はプラス1.5%といずれも2年連続で上昇し、上昇幅も拡大している。
日本海側では石川県の商業地の平均がプラス0.5%で、4年ぶりに上昇している。新型コロナウイルス禍からの回復で観光客が増加するなど金沢市などの観光地を中心に活気が戻っている。「ひがし茶屋街」と呼ばれる金沢市東山1丁目は、市内で最も上昇率が高いプラス5.3%で、1平方㍍あたり40万円だった。そして、県内で最も高かったのは、金沢駅に近い金沢市本町2丁目で、プラス3.6%の1平方㍍あたり102万円だった。
観光だけでなく、北陸新幹線効果もある。来年3月の金沢・敦賀間の開業を控えた小松駅周辺は県内全体で最も上昇率が高かった。駅から300㍍離れた小松市日の出町1丁目はプラス6.7%だった。去年のプラス3.5%から上昇の幅が拡大し、1平方㍍あたり9万5000円だった。この周辺では北陸電力の複合ビルや観光交流センターなどが立ち並ぶことになる。
一方で顕著なマイナスもあった。ことし5月5日に震度6強の地震に見舞われた能登半島の尖端・珠洲市飯田町は去年に比べてマイナス8.1%で、下落率は全国で最も高かった。
全国地図を眺めて、全国でも住宅地で地価の上昇率が高かったのは、なんと北海道だ。北海道千歳市栄町5丁目でプラス30.7%、2位が千歳市東雲町5丁目でプラス30.5%、3位が千歳市みどり台北4丁目でプラス29.0%と北海道勢が占めている。千歳市では、先端半導体の国産化を目指し、トヨタ、デンソー、ソニー、NTT、NEC、ソフトバンクなどが出資した半導体メーカー「ラピダス」の新たな工場の建設が進んでいて、従業員の住宅などの需要が高まっているようだ。地域の経済がそのまま地価の高騰に反映している。
⇒19日(火)夜・金沢の天気 はれ
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