自在コラム

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☆「終戦宣言は悪くない」 北の思惑

2021年09月24日 | ⇒ニュース走査

   前回のブログの続き。韓国の聯合ニュースWeb版日本語(24日付)よると、北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正党副部長は24日、韓国の文在寅大統領が国連総会演説で朝鮮戦争の終戦宣言を提案したことについて、「終戦宣言は悪くない」として、「長期間続いている朝鮮半島の不安定な停戦状態を物理的に終わらせ、相手に対する敵対視を撤回する意味での終戦宣言は興味深い提案であり良い発想」とする談話を出した。朝鮮中央通信が伝えた。

   このニュースの見て、「アフガニスタン」の二の舞を想像した。2001年9月月11日の同時多発テロで、アメリカは「テロとの戦い(War on Terrorism)」を錦の御旗に掲げ、当時のブッシュ大統領はアフガニスタンで政権を握っていたタリバンがテロ事件の首謀者とされたオサマ・ビン・ラディンをかくまっていると非難。アメリカ主導の有志連合軍がアフガンへの空爆を始め、タリバン政権は崩壊する。しかし、ビン・ラディンを捕捉できなかった。テロとの戦いはオバマ大統領に引き継がれ、2011年5月、パキスタンのビン・ラディンの潜伏先を奇襲し殺害。オバマ氏は緊急声明で「Justice has been done」と発した。

   そうなると、アメリカ世論もアフガンのケースと同様にいつまで韓国に軍隊を駐在させる必要があるのかと撤退の声が高まる。北朝鮮の狙いはそこにあるのではないだろうか。

(※写真は、2018年5月26日に行われた韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長の2度目の首脳会談を伝える聯合ニュースWeb版)

⇒24日(金)夜・金沢の天気       はれ


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