先日(7月6日)国の特別天然記念物のコウノトリの日本の最北端の営巣地といわれる能登半島の志賀町富来に行ってきた。元日の地震では能登にいなかったものの、このコウノトリのペアは台湾など南方との「二地域居住」で、3年連続で富来で営巣している。このコウノトリの様子を見に行ったのはことしで3回目だった。
ことし最初に訪れた1月31日のときは、営巣地である電柱の上にはコウノトリの姿は見えなかった。電柱は傾いておらず、巣も崩れてはいないように見えた。ただ、巣がかなり小さくなっていて、見た目で2分に1ほどになっていた。巣の下を見ると、営巣で使われていたであろう木の枝がかなり落ちていた。住宅に例えれば、「半壊」状態だったのはないだろうか。
地元紙によると、ことし1月下旬から町内の田んぼにいるのを複数の住民が目撃していた。個体識別の足環が確認されており、町内に巣を持つ親鳥だった(2月3日付・北陸中日新聞)。コウノトリは1月下旬には飛んできていて、このころ巣づくりを開始していたのだろう。
現地を訪れた2回目は6月6日だった。巣は1月31日に見たときより大きくなっていた。ということは、枝を加えて巣を補修したのだろう。しかし、3日前の6月3日に能登でマグニチュ-ド6.0、震度5強の揺れを観測した。何しろ電柱の上に営巣しているので揺れも大きかったのではないのかと想像する。でもこの揺れを何とか耐え忍んだのだろう、親鳥のほかにひな鳥が1羽がいて、合わせて3羽が見えた=写真・上、6月6日午後4時59分撮影=。ひな鳥はかなり成長していた。去年5月23日に訪れたときは、3羽のヒナがいた。ということはことしすでに巣立ったひな鳥がいたのかもしれない。
3回目が7月6日だった。このときは巣に親鳥もひな鳥もいなかった=写真・下=。ただ、一瞬見えたのが遠方へ飛んでいく二羽のコウノトリの姿だった。また台湾に帰っていく姿だったのか。思わず、「来年も来てくれよ」と心で叫んだ。
1月に来たときはこれまでエサ場としていた谷川などは土砂崩れなどで一変していたのではないか。そんな中、元日の地震で壊れた巣を直し、6月3日の震度5強など余震が続く中、ひな鳥を育て上げた。幸せを運ぶといわれるコウノトリ。来年も能登に希望を運んできてほしいものだ。
⇒14日(日)夜・金沢の天気 あめ
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