「鮮魚難民」となってしまった私は、町になくなった魚屋に代わって、自分自身が
魚屋になりました。 店舗を作り営業許可をとって、自ら卸市場に仕入れに行き、自
分が食べる魚を自分で仕入れ、仕入れた魚を自分の魚屋から買って、わが家は魚を食
べています。自分専用のmy魚屋です。
自分の目利きで買ってくるわけですから、初めはなかなか思うように魚が買えずに、
難儀をしましたが、だんだんと市場の皆さんから魚のことを教えてもらいながら、魚の
ことが分かって参りました。
同時に魚の流通の仕組みも分かって参りました。結局、魚の習性から、漁場のこと、
漁業のこと、産地出荷市場のこと、消費地荷受市場のこと、魚屋さんのこと、家庭の
買い物の仕方、台所のこと、魚の食べ方のことなど、生産から最終消費に至る一連のこ
とが分からないと、「鮮魚難民」問題は解消しないことが分かって参りました。
折角、魚屋を開業したわけですから、時代に合った魚屋のあり方を考えたわけです。
何人かのお客さまを通じて、家庭における魚の受容度を考察して参りました。
詳細はここでは省略しますが、わがmy魚屋に来られるお客さまは、それぞれの事情こ
そ違え、「鮮魚難民」であることが分かりました。
つまり、「町の魚屋さんがなくなってしまった」「美味しい魚を買うところがない」
という方々が来られのです。そういう方々がどのくらい居られるかは、消費者調査をし
ているわけではないので分かりませんが、かなり居られるのではないかと想像していま
す。自分も「鮮魚難民」だと思われる方がおられたらレスポンスしていただけると有難
いですね。
一方、魚は好きだが、家庭ではあまり食べない。魚は外で美味しく食べているという
方も多いと想像しています。その代表的なものが「回転寿司」など手軽に食べられる外
食です。あるいはデパ地下などの天ぷら・フライ・煮つけ・焼き物などの惣菜を利用さ
れている方々です。また、魚は食べなくても別に困らないという方も居られるでしょう。
こうした傾向を家庭における「魚食力の低下」と捉えると、今後の鮮魚流通のあり方が
見えてくるような気がします。
わが「my魚屋」は、消費傾向を探るアンテナショップであります。
時代にあった魚屋の「モデルショップ」を目指しています。