魚のアトリエ”うおとりえ”

新鮮な魚を美味しく食べたい!!
 「魚っ食いの365日

篆刻<てんこく>を楽しく――石のペンダント

2011年02月12日 | 篆刻記
 篆刻に使う石は、少しお金を出すときれいな石がいろいろあります。
下手な宝石より、よほど素晴らしい石があります。

 少しお金をというのは、数千円の単位です。
その石に穴を開けて、紐を通せば洒落たペンダントができます。

 もっと安い石でも、磨けば光沢が出ます。
金鋸で石をスライスして、5個作りました。
500円の石でしたから、1個:100円です。
実際によく胸にぶら下げています。




とこどき、これ何ですか??と聞かれることがあります。
こんなことで、篆刻に親しみを感じてもらえたらよいと思っています。

2000番か、2500番くらいの水性サンドペーパーで丹念に磨いてみてください。
*かなりの専門店でないと扱ってないと思いますが・・・

 さて、こういう用途外使用は本当は困るのです。
そのために、色彩・透明度のよい石の需要が増えて、価格高騰を招く惧れがあるからです。
女性用の服飾品に、篆刻用の石材が既に使われていると聞きます。

 刻りそこなったり、不用意に欠けた石の活用法としていかがでしょうか。
 
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篆刻<てんこく>を楽しく――絵を刻る

2011年02月12日 | 篆刻記
 絵や図柄を刻る
これは、石に刻っても篆刻とは言いがたい。「篆書体」文字ではないから。
しかし「刻印」には違いないし、木でも、石でも、ゴム消しでも、字でも、絵でも
手段、対象を限定しなくてもよいと思うし、楽しいものです。

 判じ物のような印を刻りました。30秒くらい考えれば、分かりそうですね!!





 「鳥虫篆」という、装飾文字のように作るやり方があります。
原稿デザインをするのが楽しくて大好きです。
ただ、原案を考え、デザイン(印稿)をまとめ上げるまでに大変時間がかかります。
お手本も少ないので、相当考え、工夫しなくてはなりません。
そこが楽しいのです。半年も1年もかかることもありますが、要するに未熟・素人・
へたくそ、ということなのでしょうか。
この文字も判じ物のようなものなので、たいてい読んでもらえません。読めません。
はて、なんと刻ってあるのでしょうか??



 かなり以前に楽譜をアレンジした印を刻って差し上げました。
これも、解説をつけなければ分からないと思います。



 楽譜の中の魚は、カツオです。
 隣にあるのが、赤ワインの入ったワイングラスです。

 ワインの種類は、<メルロー>種です。
 
 ワインのお好きな方ならもうお分かりのことと思います。
 つまり、「鰹にメルロー」・・・ワインの相性の組み合わせです。

 どうぞ、お試しになってください。
 初鰹に、赤ワインのメルロー。実に絶妙なハーモニーを奏でます。

 そうそう、この方は音楽の大変お好きな方で、それで楽譜に仕立てたのです。
 楽譜の肩の英文字は[wine-master]、専門家でいらっしゃいます。

よく見てください。カツオに目玉がちゃんと入っています。
そのむかし、まだ刻り初めの1年生の頃の作です。今ではこんな点は見えません。

 こんな余計なこと<邪道>をしているから、ちっとも進歩・上達しないのだと、
叱られそうな話ですが。

 *第1図は、「山本」印でした。
**第2図は、「昌代」印でした。 読めるでしょうか? 
 
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篆刻<てんこく>を楽しく

2011年02月09日 | 篆刻記
  

  左は、始めた頃の作品                      右は、最近の作品(美意延年)

 硬い石を刻るのですか
 魚とは全く関係のない「篆刻」を趣味にしています。
共通点を探すとすれば、刃物で切り刻むことかと思います。
篆刻は一般にあまり馴染みがないため、篆刻をやっていると言うとたいていの人は、
「石を刻るのですか?」
「硬い石をどうやって刻るのですか?」
「1個作るのにどのくらい時間がかかるんですか?」
と聞かれます。

 ansこたえはans
「石に刻ります」
「軟らかい石ですから、彫刻刀で刻ります」と答えますが、
最後の一問が難しいのです。
「刻るだけでしたら、簡単なものなら5分か10分でも刻れますが・・・ふつう1~2時間くらい。
 でも、文案(原稿・デザイン)は、一週間、一ヶ月、一年もかかることもあります」
と答えます。
 
 始めたその日から<作品> 
 始めたその日から”立派”に使えるもの(印)が作れるという点で、篆刻ほど
面白いものはありません。その作品にはもちろん、上手下手はあるかも知れませんが、
印は、自分を表わす一つのマークですから、自分に相応しいかどうかでよいのです。

 年賀状が映える?
 自分で好ましいと思えば、始めてつくった1個の印を、落款印として使えます。
わたくしが始めたきっかけは、下手な版画の年賀状でも朱の印を押すと、はるかに立派
そうに見えると思ったからです。実に浅ましい心情でした。

 「印」で気持ちを伝える
 ですから、作り始めた頃のものを今でも平気で使っています。
何に使うかと言えば、年賀状や手紙・はがきに使うのですが、好きな言葉を刻った印
(遊印)を押せば、自分の気持ちや季節感を表わすこともできます。

 初めは自己流
 わたくしは、独習・自己流で始めたのですが、手ほどきをしてくれる人(先生)が、
身近になかったからです。そして、冒頭の「質問」はわたくし自身の疑問でもありました。
これから始めてみたいと思われている方のために、多少の参考になりそうなことを書い
てみたいと思います。

 石と彫刻刀
 てんこくの道具は最小限、石と彫刻刀があれば刻ることができます。
道具は、書道用品の店で売っています。値段は、石は2~300円、彫刻刀も500円
くらいのものからあります。合わせて1000円あれば最小限揃います。あとは、筆・墨
・硯などですが、必要に応じて追々揃えればよいでしょう。

 ○印を刻る
 石の面に、彫刻刀でガリガりとキズをつけてみてください。その面に朱肉かスタンプ
のインクをつけて紙に押してしてください。
石の面に、○を描いて刻ってみてください。これでも立派な「印」です。

 裏文字
 文字を彫る場合は、裏返しの文字を刻ります。カタカナの「イ」と刻ってみてください。
「伊藤」さんの印になります。ここでいう印は、実用に使う「印鑑」とは違います。
いわば、サインに近いかも知れません。

 芋版
 朱肉をつけて、ペタペタと紙に押してみてください。むかし作った、芋版や、消しゴム印
を思い出します。印という点では、材料が違うだけで同じことです。

 秦の始皇帝
 なぜ、篆刻というかといえば、「篆書体」という書体を使うからです。楷書とか草書と
いうその書体の一種です。あの中国の、秦の始皇帝が定めたと言われる書体が「篆書体」
です。

 辞典
 「篆書体」の文字は、学校では習うことがありません。書道か篆刻で使うくらいです。
従って刻りたい文字の「篆書体」を何かで調べなくてはなりません。
いろいろな印を作るのならば、いずれ「篆刻辞典」が必要になります。

 完成までの手順は次のようになります。
1 刻りたい文字を決める          =文案
2 印に彫る書体をデザインする・・・紙に描く=印稿
3 原稿を印面に裏返しに描く        =布字
4 彫刻刀(印刀)で刻る          =刻印
5 朱肉をつけて紙に押す          =完成

 以上は、ごく簡単に手順を書きましたが、細かな手順・技法は篆刻の手引書をみることを
お奨めします。篆刻は長い歴史を持つ古典芸術ですから、わたくしなどにはとても語れるもの
ではありませんが、書道・絵画に比べて取り掛かりにくいように思われますので、わが身を省
みず書かせていただきました。 一人でも多く篆刻に親しんでいただけたらと思う次第です


 これからも、<印>ができたら、お粗末ながら、続けて書かせていただきます。

  



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魚談義――鮮魚難民

2011年02月03日 | 魚談義
  


 いま、新鮮な魚を食べたくても、近くの商店街の魚屋さんがだんだん少なくなって、容易に
買えなくなってしまった。スーパーがあっても近海の鮮魚は少ない。ショッピングセンターや
デパートに魚の専門店はあるが、たいていは遠くて、わざわざ出かけるという感じで、ふだん
の買い物には向かない。

 なぜ、魚屋さんが少なくなったかというと、消費者が買わなくなったからで、消費者がなぜ
買わなくなったからというと、買い物の仕方が変わってしまったということだ。ところが魚屋
さんはその場所から簡単に移動できるかといえばそうはいかない。このことは魚屋さんだけの
ことではなく、八百屋さんだって、肉屋さんだって、だいたい同じような道をたどっている。

 それでは、われわれ日本人が魚を食べなくなってしまったかというと、そうでもない。
ただ、食べ方が大きく変ってしまったのではないかと考えられる。家庭で食べるより外食で魚
を食べる――その端的な例が回転寿司だ。また、蒲鉾やはんぺんなど加工食品として食べてい
る。それは確かに魚には違いないが、魚そのものではない。

 われわれが普通、魚を食べると言えば、生の刺身か、焼くか、煮るか、揚げるかを連想する
が、そうした食べ方がどんどん減ってきていることが考えられる。特に小魚は骨が嫌われて
敬遠される。また、さばいたり調理をするのも時間がかかることも敬遠される理由と考えられ
る。

 そればかりが理由ではないが、結果として魚屋さんで魚が売れなくなったから、町の魚屋さ
んはどんどん減ってしまった。そうすると、こんどは魚を食べたい人も身近に魚を買うところ
がなくなってしまった。この人たちをわたしは「鮮魚難民」だと思っている。わたくし自身も
かつて鮮魚難民だった。

 いまの経済原理からすれば、需要があるところには必ず供給者が現れるのだが、この「鮮魚
難民」を救うものが現れない。鮮魚難民に気付かないのだろうか? そんなことはない。産地
直送の通販業者がそれに目をつけている。だが、家庭の日常の食卓に遠路はるばる宅配便で魚
が配達されてくるかたちは、いかにも非効率という感じがする。

 流通の先端にあるCVSやスーパーが、いわゆる鮮魚をもっと積極的に扱えば良さそうなも
のだがそうでもない。現状ではスーパーに魚はあるが、鮮魚難民の求めている魚とは違うよう
だ。鮮魚難民の心を捉えていないようだ。そこに「鮮魚」固有の扱いにくい「問題」があり、
ニッチな需要かも知れないが、解決の難しい「難題」なのではなかろうか。

 野菜は、地産地消の流れに乗って各地で生産者の直売が盛んになって、「新鮮野菜」が手に
入りやすくなった。また、スーパーでも必ずといってよいほど「地場野菜」コーナーがあって
町の八百屋さんに取って代わっている。町の肉屋さんも少なくなってしまったが、これも大手
流通が十二分にその代役を果たしている。

 それでは、鮮魚固有の「流通問題」とは、いったい何なのか。
一つは、商品そのものの持っている性質。鮮度保持時間が短く、常に冷蔵管理をしなければな
らないこと。種類が多く、大小不揃いで、包装・陳列が容易でないことなどが挙げられる。
流通の問題としては、入荷(仕入れ)が不安定な上に、価格変動があって、定常的な販売に適
さない。

 次に消費者の側の問題――これはいくらでもある。
さばけない・調理が出来ない・難しい・時間がかかる・食べにくい・日持ちしない・台所が汚れる・
臭い、匂う、美味くない、肉より高い、などなど。それには、マンションなどの住環境も影響
しているものもあり、また商品知識が乏しいことも挙げられる。

 家庭における「魚食力の低下」現象が起きている。その結果が町から魚屋さんがだんだん少
なくなって「鮮魚難民」がうまれた。いま営業中の魚屋さんに「頑張ってください」とエール
を送りつつ、わたしは「難民救済」に立ち上がることを決意する。 

 
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寒ブリ・寒ダラ・寒サワラ!・・・1月の魚市場から

2011年02月02日 | 浜どんどの市場日記

1月の市場は魅力がいっぱい!
 毎週、金・土は、横浜中央市場に魚の顔を見に行く。気に入った魚を買う。
どんなに寒くても行く。自分自身が魚を食べる魚と、日本一小さな魚屋として
何がしかの魚を仕入れる。だから、気に入った魚に出会ったときは嬉しい。

 冬の魚には、<寒>を頭につけると旨そうなひびきを持つ。

1月7日(金)  アジ    淡路       0.9kg
  8日(土)  大アジ   相模湾      1.5kg

 11日(火)  サワラ   銚子       3.1kg

 14日(金)  ブリ 鳥取:境港    8.9kg *17.8kg×1/2半身)
 15日(土)   <目ぼしいものなく、何も買わず>
                             
 21日(金)  タラ    常磐       1尾(3.1kg)
 22日(土)  活毛ガニ  三陸       20ハイ

 28日(金)  タラ    常磐       1尾(5.4kg)
         サヨリ   東京湾      6尾(0.5kg)
 29日(土)  サヨリ   東京湾      6尾(0・5kg)



 サワラ  ここ1~2年は、1年を通じてよく入荷する。スーパーでも切り身で
よく見かける。だが、何と言ってもこの魚の美味いのは刺身だ。脂の乗った新鮮な
サワラでなければならない。釣りものか、定置網に限る。刺し網のものでは無理だ。
刺し網ものはすぐ分かる。胸の辺りに網にかかったときの網痕が残っているからだ。
網から逃れようとして暴れるから、身が軟らかく緩んでしまうからだ。



 ブリ  富山湾氷見のブリは、ブランドぶりとして名高い。先ごろその産地偽装
が発覚して話題となった。このブリを買ったのは丁度その頃だった。だから氷見産
を避けたわけではないが、買ったのは境港産。大漁で相場が暴落。高いときの1/5
くらいの価格だ。その翌日は2倍に変動していた。お陰でタップリと美味しい寒ブリ
を堪能した。1本17.8kgはブリの中でも巨体の部類に入る。もっともその半身を
買ったのだが、こんな巨体を買ったのは初めてのこと。感動!!



 真鱈  シーズンだから連日必ず入荷がある。5.4kgは大きさで言えば中く
らいだが、お腹はタップリと膨らんでいる。その白子が好まれ身は二の次だ。だか
らオスが高くメスは半値だ。今回は卵が食べたくてメスを買った。タラの子だから
タラコには違いないが、ふだん食べるタラコとは似ても似付かぬ異様な姿だ。
一言で言えばまさにグロテスク。真っ黒い袋に包まれた卵胞は約1kgあった。
全体重の20%に近い。煮付けにして食べたが、醤油漬けにして食べると美味いと
聞いて早速試してみた。イクラの醤油漬けを食べる高級感はないが、旨いこと美味
いこと温かいご飯にピッタリ。カナッペにも向くと思う。この次は試してみよう。



 サヨリ  これはよく知られた高級魚。東京湾横浜本牧漁港水揚げの超新鮮。
あの長い嘴、痩身に青く白銀に輝く装いは、魚類界最高のスタイリストと言える。
貴婦人の名に相応しい。白く透き通るような身は端麗な味わいそのものだ。
それにつけても真っ黒な腹膜はどうしても似つかわしくない。きっと透き通る身を
貫く光線から内臓を守る術であろう。



 毛ガニ  珍しいものではないが、20パイも一時に買ったことはない。買える
値段であったということだ。わたしの中では、エビ・カニはどうしても高級品とい
う意識が定着しているので、ふだんは避けて通っているが今日は迷わずてが伸びた。
期待にたがわず旨かった。

 
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