最近、聴く時間があれば隙間を縫うように聴いている。
ELEGANT WEAPONSの『HORNS FOR A HALO』。
バンドの発起人は、JUDAS PRIESTのリッチー・フォークナー。
リッチーの活躍ぶりは、今更こんなところで語る必要などないだろう。
現在のPRIESTにとって、最早なくてはならないギタリスト/ソングライターとなっているのは誰もが認めてるところだろう。
まァ2年ほど前にかなりの大病を患ってしまっていたが、見事に回復したし、その復活の狼煙を上げるかの如くリリースされたのが、このバンドのアルバム。
メンバーもまた豪華。
ドラムは同じPRIESTのスコット・トラヴィス。
ベースはPANTERAのレックス・ブラウン。
ヴォーカルは現在MSGに在籍しているロニー・ロメロ。
ただ、このメンバーはレコーディングまでは携わっていた感じで、
現在ドラムはACCEPTのクリストファー・ウィリアムズに、ベースはURIAH HEEPのデイヴ・リマ―に交代されている。
とは言え、スーパー・グループと呼ぶに足る面子であるのには変わりない。
最初、「DO OR DIE」のMVを視聴したんだが、LAメタル的なメロディ運びでありながらも重厚なグルーヴと疾走感が妙なクセとなっており、ちょっと期待できそうな匂いがしたんだよね。
アルバム全体としてはミッドテンポが多く、それこそブルージーさも醸し出す楽曲が居並ぶ。
例えとしては、『SERPENS ALBUS』以降のWHITE SNAKEによりメタルなフィルターをかけた感じの印象。
正直言うと、ハイライトとなる様な、飛びぬけた曲っていうのは無いと思ってるんだよね、ここまで聴いていても。
それでも、
耳にしている分には飽きるという事のない進み方をしており、そこを上手く引っ張って行っているのが、ロメロの歌唱だと思う。
彼の声質は、所謂古典的な様式美ハードロックに於いてお手本とされ得るタイプの系統。
実際、再結成(つって良いのか?)RAINBOWで抜擢されただけの事はあり、かのロニー・ジェイムス・ディオにも通じる部分がある。
尤も、重宝されているのか、最近は色々なところに顔を出し過ぎてるんじゃねェのかとは感じるが(そう思っているのは、オレだけではないみたいだ:笑)。
こういった人物がフロントにいてくれると、実に心強いモンだね。
最終的に、良いバンドとしてまとめ上げてくれる妙な説得力を放ってくれる。
ぶっちゃけ突き刺さるものはあまりないんだが、聴いていて飽きさせるってのはないし、何処か安心させてもくれるんだよね。
まァ、PRIESTは現在新たなアルバムのレコーディングも完了したという話も出ているし、このバンドで本格的に動かすってのは、他のメンバーのバンド事情からしても難しいと思うが、この面子によってアルバムをまた創り上げるってんなら、悪い事ではないね。