昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第15弾)です。
赤道儀にモータードライブ装置(日周運動によって動いていく星を電動追尾するためのアイテム)が付くと
月や惑星以外の星も強拡大で狙ってみたくなり、無謀にも重星(複数の星が接近して見える天体)の撮影に
挑んだのでした。そのターゲットは北斗七星の1つであるこの星。
【アルコルとミザール】
キヤノンEF+タカハシ13cmパラボラニュートン反射+Or12.5mmアイピース,サクラカラー400(ASA/ISO400),
F64,露出60秒,タカハシ90S赤道儀使用(電動追尾),トリミングあり,都内某所にて
狙ったのは北斗七星の柄の端から2番目の星であるミザール(右下)で、この星は2等星と4等星の二重星なんですが、
しっかり分離して写りました。これはいわゆる「連星」で、両者間の共通重心を中心に周っている双子星です。
左上の星はアルコルという4等星で、それも写野内に収めるようにフレーミングしたのでした。ちなみにミザールと
アルコルは目の良い人なら裸眼で分離して見える肉眼二重星で、昔は視力検査に使われることもあったらしいです。
露出時間は60秒と長めながら星はほぼ点像になってました。電動追尾していなければ日周運動により完全に流れて
写っていたでしょうから、やはりモータドライブの恩恵が大きいことを確認した1ショットとなりました。
参考までに星図と写野シミュレーションを以下に示しておきます。
AstroArts社ステラナビゲータにて作成