Starlight Terrace

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【注目の天文現象】
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冷やし中華カメラの冷やし効果

2017-08-04 21:10:00 | 撮影機材

先月新調した中国製CMOSカメラで土星の試し撮影結果を前の記事で紹介しましたが、
それは数十フレーム/秒で動画記録された各画像からクオリティの高いフレームを
千コマ以上セレクトし、それらを平均化したようなものでした。
当ブログでよく登場する星雲や星団、あるいは彗星などは暗い天体なので動画で捉えるのは厳しく、
一般のデジカメと同じくシャッターを数秒以上開きっ放しにして1コマを撮らなければなりません。
その長時間露光時に問題になるのが「暗電流」と呼ばれるもので、CCDやCMOSといったセンサーには
付き物のノイズ原因になります。で、暗電流ノイズを抑えるにはセンサーを冷やすのが効果的なんです。
ということで、入手したCMOSカメラには電子冷却機能が備わっていて、そのテストをしてみました。
撮影対象にしたのは、こと座にある通称「ドーナツ星雲」で、非冷却/冷却の比較画像がこちら↓

冷却-非冷却_比較_M57.jpg

【環状星雲 M57】
 口径18cm写真撮影用反射望遠鏡+冷却CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),3分露光

ご覧のとおり、冷却によるノイズ低減効果は一目瞭然ですね。
非冷却の画像には赤青緑の輝点ノイズだらけで、見られたもんじゃないです。
ちなみに撮影時のセンサー温度は、非冷却の方が24.8℃、冷却の方はマイナス0.1℃。
電子冷却システムはクルマのバッテリー電圧と同じ12Vの電源で動作します。

効果が確認できたところで、こぎつね座にある大きな惑星状星雲を撮ってみました↓

M27_ASI1600MC-cool_blog.jpg

【亜鈴星雲 M27】
 機材は上と同じ,3分露光×6コマ加算(総露光時間18分),センサー冷却温度マイナス0.1℃

ドーナツ星雲よりも大きい天体なので、ドアップで捉えることができました。

このカメラには一般のデジカメと違ってメモリーカードへのストレージ機能が無いので、
PCにUSB接続して動画やスチル画像を記録します。Webカメラと似たようなもんですね。
今回のテスト撮影でまずまずの感触が得られたので、惑星以外の撮影でも実践活用していきます。



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