昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの第22弾です。
1983年の夏、八ヶ岳山麓へ遠征して綺麗な天体写真が撮れたので、
仲間内ではまたどこか空の暗い場所へ行こうぜ!という話になり、
年末に再び遠征する計画を立てました。行き先としては北関東から
東北南部方面を検討し、最終的に福島県いわき市にある「湯ノ岳」
付近を目指すことに決定。同市内にある某国民宿舎に連泊の予定で
予約を入れたのでした。なお、当時はまだ常磐自動車道が部分的に
しか開通しておらず、東京外環自動車道もできていない時代なので
ほとんど下道でアクセスすることになり、夏に行った長野・野辺山
近辺よりも遥かに所要時間がかかり、午前中に出て宿に着いたのは
夕方になった記憶があります。自分はまだクルマの免許を取得して
おらず、今回も運転を任せっきりとなった友人と、別途マイカーを
出してご同行いただいた中学時代の理科の先生も、さすがにお疲れ
モードだったのに加え、天気もよろしくない状況だったので、初日
の夜は目的地へ向かわず、ゆっくり休んで翌晩に備えたのでした。
で、翌日の日中は宿近辺を適当に観光して時間を潰した後、夕食を
頂いてから約30km先の目的地へ急行。天気はほぼ快晴で、淡い冬
の天の川が良く見えている中、最初に撮ったのはコレでした。
【オリオン座】
キヤノンEF+FD50mmF1.4 S.S.C.(Ⅱ),サクラカラー400(ASA/ISO400),
絞りF2.8,露出15分,タカハシ90S赤道儀にて自動ガイド,
福島県湯ノ岳付近にて
標準レンズを使って横構図でオリオン座を撮ったのでした。憧れの
バーナードループ(中央やや左寄りに写っている半円形の赤い星雲)
や、いっかくじゅう座のバラ星雲(左上寄りに小さいながら赤くて
目立っている星雲)が確認できるレベルの写真となりました。後日
現像/プリントが上がってきた際に大興奮したのを憶えています。
サクラカラー400は赤い星雲が本当に良く写るフィルムだなーって
ことを再認識したものです。
まぁ、今見ると構図上で左寄りにある冬の天の川やオリオン座頭部
にあるエンゼルフィッシュ星雲などの描出は不十分だったりして、
やっぱり大したことないなぁーって思いますけどね。ちなみに写野
は次のとおりです。
AstroArts社ステラナビゲータにて作成
次に撮ったのはこの星座。
【ぎょしゃ座】
※撮影条件は上と同じ
天頂近くまで昇り詰めていて、構図を決めるのにちょっと苦労した
記憶があります。天の川の写りは良好でしたが、赤い星雲はあまり
目立っていない印象。メシエカタログに登録されている散開星団が
3つ(M37,36,38)小さく写ってます。写野は次のとおり。
AstroArts社ステラナビゲータにて作成
さらに、星占いに出てくるこの星座も撮りました。
【ふたご座】
※撮影条件は上と同じ
天の川は下の方に写ってますが、西に傾いた時間帯に撮ったせいか
写りはイマイチって感じ。この画像にもバラ星雲が左下端に写って
ました。右下方には散開星団M35も確認でき、その星団から左斜め
下方にモンキー星雲(まだ当時はあまり有名ではなかった)が薄赤色
に小さく写ってます。写野は次のとおり。
AstroArts社ステラナビゲータにて作成
やはり空の暗い場所で撮ると写りが違うなぁーと思ったのでした。
(つづく)