フォトクラブ「すぎの子」写真展を見てきました。最近は絵画ばかり鑑賞しており、写真をまじまじと見るのは1年ぶりではないでしょうか。
すぎの子写真展には、じっくりと構えて構図を練ったであろう写真が並んでいました。風景写真が多く、親しみやすかったです。
印象に残った写真は……
●「紅い渚」(あかいなぎさ) 撮影: 赤堀英利 氏
夕刻の海岸。海の背に銀色、あかね色、白の錦 (にしき) が織られ、ゆらめく時間。緩やかな弧を描いて岬の突端まで延びる砂浜に打ち寄せる波。波の峰々は斜陽に赤く染まり、浜に近づくにつれて次第に首をもたげます。立ち上がった波の頭は、やがて無数の白いつめを立てたかと思うと、砂をつかむ前に力尽きてざわざわと崩れ、海の底に引きずり込まれていきます。浜に残るのは、波が精一杯背伸びした指先の跡。
●「エメラルドの冬」 撮影: 加藤貴与司 氏
樹林に張った薄氷。水面を覆う氷はセロファンのようにはかなく、ところどころに水面がのぞいています。氷も水面も一面のエメラルドグリーン。凍 (い) てついて止まった時間と、わずかに溶けたものの いまだに流れ出せない時間。春が近づくと、水とともに時間も少しずつ流れ始めるのでしょう。
すぎの子写真展には、じっくりと構えて構図を練ったであろう写真が並んでいました。風景写真が多く、親しみやすかったです。
印象に残った写真は……
●「紅い渚」(あかいなぎさ) 撮影: 赤堀英利 氏
夕刻の海岸。海の背に銀色、あかね色、白の錦 (にしき) が織られ、ゆらめく時間。緩やかな弧を描いて岬の突端まで延びる砂浜に打ち寄せる波。波の峰々は斜陽に赤く染まり、浜に近づくにつれて次第に首をもたげます。立ち上がった波の頭は、やがて無数の白いつめを立てたかと思うと、砂をつかむ前に力尽きてざわざわと崩れ、海の底に引きずり込まれていきます。浜に残るのは、波が精一杯背伸びした指先の跡。
●「エメラルドの冬」 撮影: 加藤貴与司 氏
樹林に張った薄氷。水面を覆う氷はセロファンのようにはかなく、ところどころに水面がのぞいています。氷も水面も一面のエメラルドグリーン。凍 (い) てついて止まった時間と、わずかに溶けたものの いまだに流れ出せない時間。春が近づくと、水とともに時間も少しずつ流れ始めるのでしょう。