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IPO神戸物産が1000株来てしまいました(10)

2006-06-10 22:50:58 | 株式投資・資産運用
 さてと、神戸物産のここまでの展開ですが、基本的には地合い最悪の中でサイズの大きい荷持たれ感のある株数の公開で大きく公募価格を下回り、2日目は公募価格までは届かないものの、株価は大きく戻す展開となっています。

 公募割れした理由は
・地合い最悪
 基本的にはこれが最大のものでしょう。元々、株数が多いこともあって、品薄の銘柄のような初値急騰といった展開は考えられませんでしたが、企業の内容から地合いがよければ1割~2割程度は公募価格から高い初値も可能だったと思います。
 ところが、とりわけ個人投資家の参加が多い新興市場は全般に相当に厳しい状況に陥っており、これまでであれば初値で買いを入れていた投資家も余裕はなく、逆にとりうえずIPOブックには参加して配分があった投資家もびびって売りを入れ、需給的に非常に厳しい中での公開となったということが第一でしょう。

・株数の多さ、大証二部
 IT系などど比較して内容は堅実なものがあるものの銘柄的に派手さはなく、前評判もあまり高くない状況。100株単位で公募5000円強というのも抵抗感のあるところであり、大証二部はまた地味。注目はあまりされない状況でした。

・公募価格設定
 PER等から割安感はないとの指摘もあります。公募価格が設定された時期の市場の雰囲気がいいと、公募価格設定は高くなりがちです。このあたりは微妙なところです。

初値からの株価ですが、主幹事の大和証券の努力もあって戻しているという面もあるかもしれませんが、基本的には企業の実態、内容が見直されているのだと思います。

時価総額等から機関投資家の投資対象にもなる銘柄だと思いますが、一般に機関投資家はいきなり初値からどかんと買うような事はしません。じわじわと買う場合が多いでしょう。

自分自身の場合、通常はIPO公募株を500万買うようなことはしません。
というか、できません。そんなに配分がないからです。

 逆に言えば、配分が多いというこは、それだけ「余っている」ということでもあるでしょう。無論、ここで断る、株数を減じてもらうことも可能でした。

 が、ネット証券ではなく支店の場合は「つきあい」というのも大事にしたいところもあります。これまで、有望な商品の配分も随分としてもらっています。

 個人的には、この銘柄については配分がある前から、取りやすい銘柄で有望感があるということで注目もしていました。そのため、損失が出てもさほど大きくはなく、利益につながる可能性はそれなりに高いと考えたため、全株取得することにしたわけです。

 ここまで、上記の考えは「半分当たり」という感じでしょうか。

 ここからの展開、売買ですが、やはり公募の5050円が意識されるところです。
 公募株の配分があった投資家、とりわけ経験が乏しい零細投資家は、初値売却、損切り等をすることなく、呆然と保有を継続している場合がかなり多いと思います。株価が戻して、公募価格前後になってくると、こうした個人投資家からはいわゆる「やれやれ売り」がそれなりに出てきます。が、株価が上昇してくると、こうした層は「もう少し上昇するかもしれない」と売りを引っ込める、売らずに保有を続ける場合もあります。

 株価は無論全体の地合いの影響も受けると思いますが、とりあえず、公募価格前後でもみ合う展開を予想します。
 売買戦略は基本的には買い下がり、売り上がり。とりあえず4500円で売却していますので、ここから値幅1割程度を考えて売買していきます。

 株価は上へ行ってくれた方が楽にはなりますが、目先、また下げても、買い戻せば平均買いコストは下がります。

 また会社の方にはメールしてみましょう。前回分の返信はないですが、会社サイトにはIRのページはちょっと内容が入っていました。

現在、保有900株の買いコストは5115円。
株価4750円で差額365円×900株=328500円の損失です。これがどう変化していくかです。
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IPO神戸物産が1000株来てしまいました(9)

2006-06-10 00:17:57 | 株式投資・資産運用
 さてと、神戸物産だけではなくて、全般に含み損が拡大している状況ですが、こういう時は
どういう心理状態に陥りやすいか?。

 一般に含み損が生じた時というのは、それを合理化するような心理になりがちで、素直にこれ
を受け入れることがしにくくなります。

 「合理化」というのは「あのぶどうはすっぱい」というやつですね。手の届かないところにある葡萄
を見て「あの葡萄はすっぱいから食べられない→だから取れなくてもいいんだ」ということで
本当は葡萄が取りたいのにそれができない状態を無理に納得させるような理由を考え出すという
ことです。

・売ってないから損ではない
 含み損は実損ではなく損失が確定したわけではないから、まだ本当に損をしたわけではない。

・損してるのは自分だけではない、みんな損してる。

・ここで損しても他で儲かってるからいいんだ。

・持ってればいずれ株価は回復する。

と、まあ、代表的なのはこういうところです。

他によくあるのは、責任転嫁というか他者を攻撃したりする場合ですね。
神戸物産の掲示板を見ると、下記のようなコメントがいっぱい並んでいます。

・こんな株を上場させる証券会社の責任だ。
・個人はめこみ営業だ。
・もう取引しない。

じゃあ、上記のような考えというのは冷静に考えればどうなのか?。

「含み損」について、これは時価評価で考えれば株価下落により損失は明らかに出ているわけです。
実損も評価損も損は損ですから。私自身は株式については日々の時価評価で損益は考えるように
しています。そうするようになりました。そうでないと客観的に状況を把握できないですから。
ただ、あまり目先の細かい値動きにとらわれて一喜一憂すると疲れていますますので、このあたり
は慣れというか自分なりのスタンスの確立が必要でしょう。

自分だけが損しているのではない→これは、気分的ななぐさめにすぎないです。自分以外の人の
利益や損失は基本的には自分には関係がないです。長く、メールマガジンでの運用競争という
のをしているのですが、これは他の人との相対順位を競うものです。ただ、順位がどうとか他の人
との比較でどうとかいうのは、これは「楽しみ」ではあるのだけれど、他の人の成績を見て、すごく
うらやましいとか、なぐさめになるとかそういう発想というのは、私自身は乏しくなりました。
えらい利益が出ている人がいれば、それは「いいなぁ」とは思いますよ。と同時に「おー、よかった、
よかった」という感じにもなります。長くレースを一緒にしている人は、まあ「同志」みたいな感覚も
ありますし。

ここで損しても他で儲かっている→この発想は自分の中にも随分ありますね。
資産運用全体、アセットアロケーション的に現状がどうなっているのかという視点で株式投資を考え
ることは意味は大きいとは思います。実際、この10年ほどの資産運用での実現益・含み益は250
0万程度にはなっていると思いますので、他で、というか、トータルで利益が出ているのは事実です。

ですが、だからといって現状の損失を被っている状態が「いいんだ」となるかとうと、これは全然よくないわけです。

よくないけれども、そのような状態、直近の売買で損失を被るような事態は基本的には避けることは
できません。となれば、重要なのは「いいんだ」と思いこむことではなくて、今後の対処をどのように
するかの方針を具体的に考えて実行することでしょう。この前提として、トータルで利益が出ていると
いう状況は精神的な面での余裕が生まれますので、着実に利益を積み上げておくことはやはり
大切ではあります。

株価は回復する→それはするかもしれんし、しないかもしれんし、んなことはわからんのです。
 で、さらに株価が下がったりすると、もう株価を確認するのも嫌になって「しらん」となり、塩漬け株
の出来上がりということになります。
 「損失が大きいからいまさら売れない」とか言う人がありますが、そんなことはないんでね。まあ、
流動性の点から売ろうと思っても売れないような商品もあるでしょうけど。ここはそういう意味ではない。
いわば自分の意識の俎上から自分に都合の悪いことを無理に消してしまう。そうしようがしまいが
株価が下がれば損は損ですけど。これは心理学的には「決定麻痺」というやつね。

他者を攻撃することで自己防衛を図ろうとするのもありがちですが、証券会社に文句を言っても
実質的にはほとんどなんの意味もありません。まあ、優良顧客の場合は文句の言い方によっては
その後になんらかの実質的な損失補填的な対応というのはあるかもしれませんが・・・。

で、気持ちが内側に向かう人の場合は「たら・れば」オンパレードとなります。
「買わなければよかった」「売らなければよかった」
と考えている、既に終わったことを後悔しているだけでは、これもしょうがないんでね・・・・。

去年から今年にかけて相場は上昇してきましたので、その中で一定の利益を得た個人投資家は
かなり多いと思います。同時に、最近の下落で損失を被っている投資家も多いでしょう。
まあ、株式市場が1割2割下落するのは、ままあることですので、こういう時にどう対応するかは
やはり非常に重要になってくると思います。

さてと、どうするよ、神戸物産(^_^;)。

と、ここまでは前日に書いたもの。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下、6/9日。
神戸物産、朝の時点で4500円で100株売りの注文を出して仕事に。

で、夕方に株価を確認すると、ストップ高になっていました。

うーん、中途半端に嬉しい(^_^;)。当然、売り注文は約定しています。つまり、100株は損切りの
形になり、残り900株です。ここで売り注文を出したのは、売れたらそこを基準にして、下げれば
買い、上がれば売りの形で売買をしていこうと考えたからです。

複数単位を保有している場合はよく取る方法ですが、売ったところから下げれば買い戻して
平均買いコストを下げる、上昇すれば順次売却して利益を確保していくという形です。

ただ、通常は買値よりも上のところで若干利食う形で売っていくのですが、今回は始まりが損切り
の形になっています。無論、望ましい形ではありませんが、自分自身のポジジョン、損益分岐点
がどこかということにあまりこだわるのは意味が薄いと考えたための売り注文でした。
(損益分岐点を意識しておくことは重要だと思いますが、伏見の光が損していようが儲かっていよう
が、市場はそんなことにかまってはくれませんので)

企業、銘柄としては、やはり評価されてしかるべきものはあると考えていますので、
株価は全体の動きと同様の方向には動くと思いますが、結局のところ、個別企業のファンダメンタ
ルズ的価値を反映した株価になっていくと思います。無論、これは絶対的な基準なり尺度があるわ
けではありませんし、日々の株価動向は需給で決まりますので、株価がどうなるかとわかりません。

この銘柄の売買の中長期的な目標は一定の利益を確保した上で、最低単位か2単位をポートフォ
リオに残す形にすることです。さて、どうなりますか・・・・。


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