山西冬彦ほぼ週刊トライアスリート通信

65歳を過ぎたおじさんのトレーニング&レース&エトセトラ

これからの民主主義の話をしよう

2017-01-23 15:17:23 | いろいろ

日経2017/1/22

日曜に考える これからの民主主義の話をしよう(マイケル・サンデル氏に聞く)を読んでなるほどと思う。

◆民主主義に対する不満の解消◆

政党・政府がお金や企業の利害によって左右され、普通の市民の声が反映されない。今回のトランプ氏選出を政党のあり方を見直す機会として捉え、人々が募らせている無力感、正当な不満を責任ある両党、指導者が理解し、市民の声により多くの耳を傾けることが必要。

◆資本主義に対する不満の解消◆

グローバリゼーションと技術革新の結果、生み出されたものは格差だけだった。経済の世界では、グローバリゼーションと技術革新がもたらす利益を広く共有できる術を見い出す必要がある。

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・トランプ氏を選んだのは、グローバリゼーションの末、その利益については上流階級だけしか手にしていないことに対する人々の不満の表れ。

・その結果、格差は一層深まり、トランプ氏の選出という形で不満が表現された。

・欧州では多くのポピュリズム政党が台頭しつつある。

・我々は、今こそ、民主主義、そして、資本主義について根本から問い直す時期に来ている。

・人々の強い不満に応じられるような、新しい民主主義、資本主義のモデルがいかにあるべきか、という根源的な問いかけに向き合わなければならない。

・民主主義について言えば、政府を代表する伝統的な組織や機関は、お金や企業の利害によって左右され、普通の市民の声が反映されていない、と人々は感じている。これこそ民主主義に対する不満の源である。もっと普通の市民に意味ある発言をしてもらう方法を見つけなければならない。

・資本主義について言えば、過去10数年にわたるグローバリゼーションと技術革新の結果、生み出されたものは格差だけだったという点。

・経済の世界では、グローバリゼーションと技術革新がもたらす利益を広く共有できる術を見い出す必要がある。

 

・英国による欧州連合離脱も同じ構造。

・部分的に経済上の問題だが、実は社会的、そして、文化的な反発が背景にある。

・その反発とはつまりエリート階層が普通の人たちを見下している、ということ。

 

・労働者に寄り添うはずの民主党がプロフェッショナルな階層やウォール街に近づいてしまった。

・この結果、民主党は普通の労働者から遠ざかってしまった。

・アメリカではこれまで、いずれ上向くという信念があったから、格差についてあまり心配していなかった。

・貧しい出でものし上がることができると信じていたから。しかし、今、そういうケースは急速に減っている。

・貧しいうまれなら、その7割は中間層にすらあがることができない。

・この結果、子供達に「格差のことは心配しなくても、君達はのしあがることができる」といえなくなれば、もっと平等や団結といったことに注意を払わなければならなくなる。

・民主主義を再活性化し、資本主義とグローバリゼーションの関係性を向上させ、上位の人間だけでなく、すべての人が利益を享受できるようにできなければ、重大な危機が訪れる。

・極端なナショナリズムや耐え難いポピュリズムが人々をさらに魅了するだろうと。

・トランプ氏がこれらの問題を解決するような建設的な改革を主導するとは思えない。

・民主党だけでなく、共和党を含め、両党の責任ある指導者が、自身の政党のプラットホームを再定義する機会とすべき。

・人々が募らせている無力感、正当な不満を責任ある両党、指導者が理解し、市民の声により多くの耳を傾けることが必要だ。


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