「Mちゃんは、泣き叫ぶ演技が出来ないんだそうですよ‼」
Aは、様子を見にきた助監督さんに言った。
助監督さんは、あわてて監督のところへ走った。
ま、待って‼️…何を言い出すの?
そんな事を監督さんの耳に入れるなんて、Mちゃんのこれからの可能性を潰してしまうようなものじゃない💦💦
「本当のことだもの‼️」
"騒ぎ過ぎたかな?💦"
Aも、少し焦っている様子だった。
「Mちゃん、大丈夫だからね。監督さんに『自信が無い』とか言っちゃだめだよ!Mちゃんは、絶対できる‼️」
そういえは、『泣き叫ぶ』ほどでは無いが『動物』や『赤ちゃん』を演じるというレッスンをした。
「ワンワン❗」
「にゃ~お~」
「おぎゃー!おぎゃー!」
これ、意外に出来ないんです。
まず、恥じらいが邪魔をします。
そして、四つん這いになってやたらと元気に走り回る(←犬)…とか、クネクネと腰を振って妖艶?に歩く(←猫)仰向けに寝て、手足を縮めて泣く(←赤ちゃん)…ふだん、よ~く見てるけど、イザ演じるとなると、なんか思うようには行かないんです。
やっぱり、いい大人になると、恥ずかしい…というのが邪魔をするので、『成りきれない』んですよね。
もちろん、その時、Mちゃんも出来なくてすごく悩んだ。
Mちゃんは、『躾』の厳しそうな厳格なおばあさまに育てられているから、余計に苦労したんでしょうね。
だけど、何度も何度もチャレンジして、やっと先生からOKをもらった。
「赤ちゃんになる…っていうレッスンの時、Mちゃん、頑張って頑張って、なんとか出来たよね。泣き叫ぶのだって、あれと、同じだよ。あれをやればいいんだよ。大丈夫、大丈夫❗」
「Mさん、監督さんが呼んでます」