あの頃(現場)7

2020-05-15 07:24:24 | 日記
「Mちゃんは、泣き叫ぶ演技が出来ないんだそうですよ‼」

Aは、様子を見にきた助監督さんに言った。

助監督さんは、あわてて監督のところへ走った。

ま、待って‼️…何を言い出すの?

そんな事を監督さんの耳に入れるなんて、Mちゃんのこれからの可能性を潰してしまうようなものじゃない💦💦

「本当のことだもの‼️」

"騒ぎ過ぎたかな?💦"

Aも、少し焦っている様子だった。

「Mちゃん、大丈夫だからね。監督さんに『自信が無い』とか言っちゃだめだよ!Mちゃんは、絶対できる‼️」

そういえは、『泣き叫ぶ』ほどでは無いが『動物』や『赤ちゃん』を演じるというレッスンをした。

「ワンワン❗」

「にゃ~お~」

「おぎゃー!おぎゃー!」

これ、意外に出来ないんです。

まず、恥じらいが邪魔をします。

そして、四つん這いになってやたらと元気に走り回る(←犬)…とか、クネクネと腰を振って妖艶?に歩く(←猫)仰向けに寝て、手足を縮めて泣く(←赤ちゃん)…ふだん、よ~く見てるけど、イザ演じるとなると、なんか思うようには行かないんです。

やっぱり、いい大人になると、恥ずかしい…というのが邪魔をするので、『成りきれない』んですよね。

もちろん、その時、Mちゃんも出来なくてすごく悩んだ。

Mちゃんは、『躾』の厳しそうな厳格なおばあさまに育てられているから、余計に苦労したんでしょうね。

だけど、何度も何度もチャレンジして、やっと先生からOKをもらった。

「赤ちゃんになる…っていうレッスンの時、Mちゃん、頑張って頑張って、なんとか出来たよね。泣き叫ぶのだって、あれと、同じだよ。あれをやればいいんだよ。大丈夫、大丈夫❗」


「Mさん、監督さんが呼んでます」