Aのエチュード。
待ち人との決別を表すような演技で、最後に座り込んで泣く…。
見ていた仲間たちもため息が出た。
やっぱり、彼女は勢いがあるなぁ…。
翌日…。
通う道すがらの団子屋さんに寄って、草団子とお茶を頬張っていた。
「ここ、いい?」
Aがやってきた。
何だかんだ言って、この団子屋は、仲間内では私とAしか立ち寄らない。
今日は、他にもテーブルが空いているのに、直接私が座っている座席に来た。
「昨日のエチュード、良かったね。やっぱり、Aは、すごいね。」
「………。」
あれ?なんか、気にさわること言った?
Aは、しばらく無言でお茶を飲む。
「あれ、実話だから…」
「…え?」
「◯◯さんとの間に起きた実話だから…」
…そうだったんだ…。
なんだか鬼気迫る感じがしたんだよなぁ…。
あのエチュードを、実話として想像すると、Aは、◯◯さんと待ち合わせしていて、すっぽかされた…ワケだ。
だけど、◯◯さんとのエピソードで、あんなに泣く?
悔しかったのかな?
「あ、待ち人は◯◯さんじゃないから…」
…あ、心読まれてたかな?💦
え?それじゃ、誰と?
Aのエチュードには、◯◯さん以外にも、出演者がいたの?
…そこまでは、見抜けなかった💦💦