紆余曲折…。
いろいろあって、なんとか本番を迎えた。
私が乱闘シーンで悩んでいた時、例のAは静かだったと思う…。
私自身が、回りを見回す余裕が無かったせいもあるかも知れません。
本番を迎える舞台は、大きな場所で、とにかく緊張した。
舞台を見ると、すでにセットが組んである。
すごいセットだ…。
時代を思わせる古びた作りも芸術性が高く、ため息が出た。
こんな舞台で、ちゃんと出来るだろうか…。
武者震いなのが、鳥肌が立った。
自分の楽屋、自分の鏡の前に座った。
なんだか頼りなさげな私が写っていたが、
『ここまで来たら、前進するしかない!』
頼りなさげな自分に言い聞かせた。
「メイクしますので、簡単に着替えを済ましてください」
後ろから声がかかる。
「はい!」
再び深呼吸すると、着替えをはじめようとした…『あれ?』
一番上に入れて置いた例のものが無い💦💦