あの頃(苦悩)10

2020-05-27 10:31:41 | 日記
謎のイケメンKに振り回されているA。

彼女も、それはわかっていた。

だけど、日頃孤独と背中合わせだったAにとって、Kの存在は、優しく手を差しのべてくれた大切な存在。 

大切なオーディションの日に体調を崩して困っていた時、Kは迷わず「送ってくよ!」と。

…ところが、時間になってもKはやって来ない…。

このままだと、オーディションに遅れてしまう💦

Aは、やむを得ず、自力でオーディションに向かった。

結果、オーディション会場にギリギリに到着したせいもあって、気持ちの余裕も持てずに、バタバタと過ごしてしまった。

結果は失格。

そんないきさつも加わって、Kに対する信頼を著しく失った。

「もう、別れよう!」

…そう、決心しながらも、まだ気持ちは揺れていた。

そんな時、同じ事務所の知り合いから◯◯さんとKの噂を聞く。

頻繁に会ってるらしい…と。

まさか、あの日、オーディションの日、◯◯さんと会ったりしていないよね!

一瞬脳裏を横切ったが、否定した。

せめて、あの日は、他の理由で来れなかった…と信じたかった。

「昨日、結局、自分で行ったよ!」

嫌味を込めて電話をした。

なのに、Kは、来れなかったいいわけもしない。

「まさか、◯◯さんに呼び出された?」

冗談混じりに言ってみた。

それに対しての否定どころか、電話の向こうで黙ってしまった。

…やっぱり、そうか…。

おそらく◯◯さんに呼び出されたんだろう。

もう、これで、おしまい❗

…と、言いかけたが、最後にもうひとつ…と、彼に賭けてみようと思った。