謎のイケメンKに振り回されているA。
彼女も、それはわかっていた。
だけど、日頃孤独と背中合わせだったAにとって、Kの存在は、優しく手を差しのべてくれた大切な存在。
大切なオーディションの日に体調を崩して困っていた時、Kは迷わず「送ってくよ!」と。
…ところが、時間になってもKはやって来ない…。
このままだと、オーディションに遅れてしまう💦
Aは、やむを得ず、自力でオーディションに向かった。
結果、オーディション会場にギリギリに到着したせいもあって、気持ちの余裕も持てずに、バタバタと過ごしてしまった。
結果は失格。
そんないきさつも加わって、Kに対する信頼を著しく失った。
「もう、別れよう!」
…そう、決心しながらも、まだ気持ちは揺れていた。
そんな時、同じ事務所の知り合いから◯◯さんとKの噂を聞く。
頻繁に会ってるらしい…と。
まさか、あの日、オーディションの日、◯◯さんと会ったりしていないよね!
一瞬脳裏を横切ったが、否定した。
せめて、あの日は、他の理由で来れなかった…と信じたかった。
「昨日、結局、自分で行ったよ!」
嫌味を込めて電話をした。
なのに、Kは、来れなかったいいわけもしない。
「まさか、◯◯さんに呼び出された?」
冗談混じりに言ってみた。
それに対しての否定どころか、電話の向こうで黙ってしまった。
…やっぱり、そうか…。
おそらく◯◯さんに呼び出されたんだろう。
もう、これで、おしまい❗
…と、言いかけたが、最後にもうひとつ…と、彼に賭けてみようと思った。