まさか、あの日、◯◯さんに呼び出された?
もう、別れよう‼
…と、言いかけたが、最後にもうひとつ…と、彼に賭けてみようと思った。
幸か不幸か、こんなタイミングで自分の誕生日が近づいていた。
「今度の日曜、私の誕生日なの。会える?」
Kは、少しの沈黙の後、
「うん。それじゃ、迎えにいくよ」
「それじゃ、待ってるね」
そして、日曜日、彼は来ませんでした。
Aが言うには、Kを待っていた時の気持ちがエチュードの時の『待ち人を待ってる』感情とリンクした…というのです。
そう思って、あの時のエチュードを思い出すと、『待ち人が来なかった』というAの演技が、とても切なく思いました。
彼女なりに、苦悩を抱え頑張っているんだなぁ…と思ったものです。