団子屋さんで、みたらし団子を頬張っていると…、やたらと鼻水をすする音…。
振り返ると、Aでした。
…Aは、泣いていました。
Aに背を向けていた私は、このまま知らないふりをしよう…と、ずっと固まっていました。
きっとAは、私なんかに弱味を見せたくないハズ。
「あのさ…!」
え?気づいていた?
「風邪引いちゃってさ!」
「風邪?大丈夫?」
絶対風邪なんかじゃない…。
たぶん、私に気付いて、泣いたのをごまかしたんだと思う…。
だけど、その日から時々団子屋でAを見掛けるようになった。
苦手なAに会いたくないなら、
団子屋に寄らない…という手もあったけど、分かりやすく団子屋を避けるのも大人げない…と思った。
時々、団子屋でAを見つけたし、一緒のテーブルに着いたりしたが、今一つ距離は縮まらないまま…。
「○○さんから連絡もらって、会いに行ったの」
「○○さん?」
○○さんとは、少し前まで露出の多かった女優さんだ。(露出とは、肌を見せるという意味では無いです💦)
Aは、その女優さんの後輩。(事務所の…だと思います)
そういえば、可愛がってもらってる…みたいな話しを、最初の頃に聞いた記憶がある。
「買い物に付き合った」
「へぇ~❗楽しそう❗」
「まさか…。私は荷物持ちだから。」
急に表情が暗くなった。