唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
M4/3用ティルト・シフトアダプター登場
CP+2013でケンコーグループのKPI(ケンコープロフェッショナルイメージング)が、蛇腹(じゃばら)を用いたM4/3(マイクロフォーサーズ)用のティルト・シフトアダプターを展示した。
デジカメWatchの記事 http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20130202_586191.html
拡大写真 http://dc.watch.impress.co.jp/img/dcw/docs/586/191/001.jpg
カメラのアクセサリ類としては今や特殊な部類に入る蛇腹だが、専用のレンズ(Nikonで云えばPC-Eシリーズだが、M4/3用の専用レンズは出ていない)を使わなければできないティルト・シフト操作が、この蛇腹のアダプターを使う事で比較的手軽にできるようになる。
ティルト(チルト)やシフトってなんだ?と思われる方のためには、ティルトを使うと今流行りの「ミニチュア写真」を撮ることができ、シフトを使うと建物を下から撮った時の上すぼみを補正できると云えばその効果をご理解いただけるだろうか。iPhoneで「ミニチュア写真」を撮るためのアプリがあるようだが、これはあくまでもそのように見えるように電子的に加工しているだけで、撮影された本来の写真はフツーのものである。
このティルト・シフトアダプターをM4/3のカメラボディに装着するのだが、M4/3用のレンズを使うことはできない。なぜならM4/3のフランジバック(レンズマウント面からイメージセンサーまでの寸法)は19.3mmであり、アダプターの最小蛇腹伸長が23mm程度あるだろうから、最低でも19.3+23=42.3mm以上のフランジバックのレンズを使用しないと無限遠までピントが合わなくなるからである。従ってFマウントニッコール(フランジバック46.5mm)あるいはキヤノンEFレンズ(同44mm)を使う事になる。ただしニッコールあるいはEFレンズなら広角・望遠、焦点距離を問わず使用が可能である。
実は、KPIからは以前からニコンあるいはキヤノンのDSLRに使用する蛇腹ユニットが販売されていたのだが、蛇腹の厚み(最小蛇腹伸長)分を考慮すると最低でもフランジバック71mmのペンタック645用のレンズを使わなければならなかったから約20万円(本体148,000円)程度の出費が必要であった。今回の蛇腹ユニットを使用すればM4/3のボディとニッコールレンズがあれば、新規購入は蛇腹ユニットだけでティルト・シフトと等倍以上のマクロ撮影を存分に楽しむことが出来るようになる。5万円位くらいでの登場だと嬉しい郷秋<Gauche>だが、無理だろうか?
ちなみにフルフレームでティルト・シフト撮影するためのアダプターの情報はこちら。 http://www.kenko-pi.co.jp/horseman/digital/VCCpro/index.html
取り回しは4×5並みにはなるが、全面にピントがあった商品撮影も「ミニチュア写真」も歪みのない建築物の撮影も超マクロ撮影も思うまま。一台いかがですか?
例によって記事本文となんの関係もない今日の一枚は、蝋梅(ろうばい)。「梅」と云う名が付けられていることから梅の仲間(バラ科サクラ属)だと勘違いされている向きも少なくないようですが、ロウバイ科ロウバイ属と別属である。