東京福祉大学の元課長が1億1200万円着服

 元課長が在職当時の2011年3月~12月に、大学の運営費などとして積み立てていた銀行の定期預金1億円を無断で解約し学園の普通口座に移し、45回に分けて全額を引き出したほか、新校舎の用地購入に充てる予定だった資金約1200万円を着服したとのこと。

 問題はこの後である。同大学を経営する学校法人茶屋四郎次郎記念学園は、「刑事告訴をしても被害金を取り戻せる見込みがない」などとして最終的に告訴を見送ったと云うから驚きである。元課長は1億1200万円の盗み得と云う訳だ。しかしだ、ニュースには着服と書かれていたが、それはつまり業務上横領だろう。業務上横領は親告罪なのか。

 多額の資金が横領されても取り戻すことをせず、さらに刑事告訴もしない状況で、同法人は利害関係者への説明責任が果たせるのだろうか。この場合の利害関係者はと同大学の学生や多くの場合授業料を負担している保証人(父母)だけではなく、補助金を交付している文科省(直接的には「日本私立学校振興・共済事業団」)にはどう説明するのだ。補助金の財源は我々の税金である訳なので広く日本国民に対しての説明責任もあるはずである。
注:同大学には1億6833万円の補助金が交付されている。(2012年度)

 元課長は昨年5月に懲戒解雇されていると云う事ではあるが、同法人は2000年の設立で、元課長が設立当初から勤務していたと仮定したとしても、失った退職金は勤務年数から考えて1千万円以下のはず。同法人が刑事告訴をしないと云う事は、元課長はもらえるはずであった約1千万円を差し引いでも1億万円の盗み得と云う事になる。

 Wikipediaによれば、同大学に対する第三者評価は、国家試験の高い合格率や良好な就職状況が評価される一方で、理事会に重要案件が諮られていないこと、2000年の開学以降、全学的な自己点検評価がなされていないなどの問題点が指摘されていると云う。

 刑事告訴を見送ったことや法人の運営状況を考えると、本事件は法人中枢の関係者と元課長が仕込んだ茶番で、1億1200万円を某関係者と元課長が山分けしたのではないかと郷秋が思ったとしても、勘繰り過ぎとは云えないのではないか。元課長は刑事告訴されないのだから前科者とはならない。不名誉なうえ退職金が支給されない懲戒解雇となったが、支給されるはずの退職金の何倍かのカネを得、某関係者も数千万円を不当に得ていたとしたら・・・。こんな筋書では(学園ドラマ+刑事ドラマ)÷2のネタには物足りないか?


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、ミズキの若葉。

「恩田の森Now」
 日曜日に撮影した写真は間もなく掲載の予定しております。今しばらくお待ちください。
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