ニコン対シグマ

 数日前に「ニコン対タムロン、タムロンの勝ち!」と云う記事を書いたばかりだが、今日は「ニコン対シグマ」、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G対50mm F1.4 DG HSMである

 ニコン(Nikon)は昨年10月にAF-S NIKKOR 58mm f/1.4G(実売価格16万5千円程度)を発売している。ニコンはF1.4の標準レンズとしては2008年2月にAF-S NIKKOR 50mm F1.4Gの販売を開始しているので、F1.2ではなく58mm f/1.4Gの登場はいささか驚いたのだが、自社の高い技術力を証明するために出さなければならないレンズであったのだろう。

 その58mm f/1.4G、郷秋<Gauche>などには縁の無い高価格レンズだが、各種のテストの結果を見る限りでは期待を裏切らない高い光学性能を有しているようである。ニコンにはかつてAI Noct Nikkor 58mm F1.2(今でも30万円を超える価格で取引されている)と云う名玉があったが、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gはこの再来と見ることも出来る。

 さて、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G対50mm F1.4 DG HSMである。価格は16万5千円対10万円で絶対的には高価格だが、二者を比べればシグマが断然安い。安いけれど性能そこそこのサードパーティーから10万円の標準レンズ登場は驚きだが、高性能&高価格のマーケットに打って出たシグマの積極的な姿勢を郷秋<Gauche>は大いに評価したい。

 重さは385g対815gでニコンの勝ち。シグマのレンズは石でも入っているのではないかと云うくらいに重たいのが特徴の一つではあるのだが(ガラスは「石」だから「石でも入っているのではないか」と云う表現は本来オカシイ)、それにしても事実上同じ焦点距離、同じ明るさなのにニコンの倍以上の重さは尋常ではない。ニコンの勝ちと云うよりもシグマの負け。

 デザインは、いかにも高価格のニッコールらしい風格の58mm f/1.4Gではあるが新鮮味には欠ける。シグマは見るから新しいデザインが魅力。取り分けフードを装着した時の姿が美しく、フードを着け状態を前提にデザインしたことが窺われるが逆もまた真なりで、フードを外すと極フツーのレンズである。写真からでは鏡胴やピントリングのラバーの質感までは判らないが、デザイン面で50対50と云うのが郷秋<Gauche>の判定。

 光学性能についてはここでは論じない。写真用レンズとして一番肝心な部分について論じないのは怪しからんと云う方がおられるかも知れないが、そこを論じず、主としてその精神性とデザイン、時にマーケティング面からその優劣を鑑定するのが郷秋<Gauche>的カメラ&レンズ論の流儀なのである。

 さて総合判定はと云えば、これはもうシグマの「勝ち」である。天下のニコンが高価格かつ高性能の製品を開発・販売するのは当たりまえ。対するシグマは、ボディは買ったけれどレンズにまでは予算が回りかねると云う方を主たる顧客として安くて性能も「そこそこ」のレンズを提供してきたメーカーだが、そのシグマがこのところ矢継ぎ早に高性能・高価格なレンズを登場させている。その積極的な姿勢のポイントが高く、ここではシグマの勝ちと判定した。

 出来ることなら両社のレンズと手持ちにNikkor 50mm f/1.4の違いを愛機D800で存分にテストしてみたいものだが、自前で揃えるなど夢のまた夢(ちなみにシグマのニコンFマウントレンズ発売時期は現時点では未定。常にC社用のマウントの方が先に発売になるのは許せない)。僅かな光学性能の差よりも大きくものを云うのは「うで」だよと何の裏付けもないまま強がる郷秋<Gauche>である(^^;



 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は写真的には昨日の続きで、所沢航空発祥記念館で撮った一枚。かつて本田航空が所有していたセスナT310Q。いま見ても十分以上にスマートな機体なので一瞬ターボプロップかと思ったが、近づいてカウルの外されたエンジンを見てびっくり。何と水平対向6気筒のレシプロでした。ちなみにこのセスナT310Qの解説板付近にはしっかり「ホンダジェット」の解説ポスターが展示されておりました。

「恩田の森Now」
 日曜日に撮影した写真を、掲載いたしております。森で咲く花々をどうぞご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/ondanomori/

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