弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

ギリシャ危機について

2015年02月24日 | 日記

ギリシャ危機がどのように解決されるのか関心がある。

その前にギリシャ問題の整理をする必要を感じる。
福田教授のオピニオンが参考になった(読売新聞オンライン版)
大体間違いないように思う。

チプラス首相も左翼連合政党のシリザが政権をとるなどおそらく
思ってもいなかったのではなかろうか。
ギリシャ国民の緊縮政策に対する不満が心地よい政策を主張する
シリザに一気に流れてしまったのだと思う。
(ポヒュリスト政治は世界の流れである。) 

一躍有名人になったバルファキス財務相は強気で交渉を始めたが、
緊縮はしないが金を貸せというような身勝手な主張は到底認められる
ものではないと思ったが、やはりその通りとなった。
バルファキス財務相が望んだのは条件なしの支援だった。 

成立した合意は4か月の支援措置の延長、ただし、ギリシャが採るべき
緊縮政策のリストを提出し、EUが承認した場合というものである。
ギリシャはEUからの離脱を脅しとしたというが、これは脅しにはならない。

むしろ困るのはギリシャではないかと私は思う。
そもそもチプラス氏が当選を前提にギリシャの国家破たんに対する有効な
政策を検討していたなどということはあり得ないと思う。
要するに緊縮反対と声高に叫んでいただけだと思うからだ。
だとすると、協議が破たんすれば、その瞬間から、ギリシャの破たんは現実
となる。
EU側は若干の混乱があるだけである。
先の合意がギリシャに条件を作成させたうえでのEUの承認となっているのは
切り札はEU側にあるということをギリシャも認めたということだと思う。

ただギリシャの離脱は拡大・拡張あるのみのEUの歴史に初めて逆行する
イベントで政治的にマイナスになることは確かである。
一枚岩に見えるEUがこれをきっかけに不安定化するおそれは否定できない
と思う。
またメルケル独首相も自分の時代にこのようなマイナス事態は回避したい
のではないだろうか。
不幸中の幸いというか、ギリシャ問題はギリシャにとっては決定的だが、
EUにとってはコントロール可能な範囲内のものである。

ギリシャがどのような条件を提示するのか、EUがどこまで譲歩するのかは
結局、EU特にドイツがどのような政治的判断をするかによるものと思う。

ここ数日、ギリシャ問題から目が離せない。