今回の原発事故がいかに大きな被害をもたらすものだったかの客観的な
資料が続々と明らかにされています。
まず、保安院が26日発表したところによると、広島の原爆と比較して
ヨウ素は2.5倍、放射線セシウム137はなんと168.5倍というのです。
セシウム137の半減期は30年と長いので広島原爆に比べて、
それだけ被害が大きいといえます。
もちろん、広島の場合は熱線や爆風や中性子の影響が大きく、
原発事故とは性質が違うといいますが、
それでも168倍というのはあまりにも大きすぎます。
ちょっと想像がちきません。
また、27日の埼玉県で開かれた研究会で、
福島県で実施された(3月17、18日)住民の外部被曝検査の数値から計算すると
少なくとも4割が健康被害を予防する安定ヨウ素剤を最低1回は飲むべきだったと
指摘したということです。
ですが、政府は、事故の実態を隠し、連日安全報道ばかりを繰り返していました。
そして、原発周辺住民にヨウ素剤の服用を指示しませんでした。
そういえば、外国人については外国政府が自国民にヨウ素剤を配布したという
ニュースが事故間もないころに出ていました。
しかるに、日本の政府は何もしていません。
なぜ、こういうことがもっと先に、首相のリーダーシップでできなかったのでしょうか。
要は全く関心がなかったということか、いやそうではなく平常心を失い、いわゆる
パニックで何も思いいたらなかったか、全くそのような能力がなかったということ
でしょう。
結局、首相の器ではなかったし、また首相の代わりにそれができる人材が
いなかったということです。
わたしたちには、広島、長崎の被爆の経験があったのですから、
こういうことは当然知っていなければならなかったはずです。
必ず知っていた人はいるはずです。
そういう人にコンタクトしなかったのだと思います。
あまりにもお粗末すぎます。何もしないまま国民の健康を危険にさらしたままだった
のです。
これは大量殺傷事件になるのではないでしょうか。
本当に空恐ろしいです。
さて、退陣を表明した後の菅氏、態度急変です。
こういう置き土産をするつもりなら、居直り継続中にすべきことが
あったはずです。ここをどうぞ。
置き土産といううのは、福島県内に放射線汚染物質の貯蔵施設を作ること及び
原発付近は汚染のため危険でゴーストタウン化するとの宣言です。
自分が何をしていなかったかを、十分すぎるほど知っていたということです。
これは、国民、そして原発事故になった人たちに対する完全なる背信です。