LAW&ORDERはこれまでの犯罪ドラマ、法廷ドラマのいずれとも
違っています。
実際の犯罪は、捜査だけで終わるものではありません。
一方、法廷だけでは、本当のことはわかりません。
捜査から判決までいって一件落着します。
これまで、8回ありましたが、終了の仕方はいろいろだと
わかりました。
陪審員の評議までいって有罪無罪が決まることもあれば、
その前に司法取引があって、それを裁判官が認めて判決言い渡しに
なるなどです。
実際には取引のケースが多いということもわかります。
そして、取引こそ実態に即した処罰になっているようです。
この取引がなければ、硬直して、逆に正義が行われないように思います。
日本では、刑事事件について司法取引はありませんので、
私には民事事件での訴訟上の和解と似ているかなと感じました。
ただ、この司法取引は主として検事がリードしていますが、弁護側も
含めて、取引が当然だと見ているようです。
いかに妥当な結論に落ち着かせるかについて、検事・弁護側が互いに
知恵を競い合っているようです。
勉強したこと
1 アメリカの陪審は全員一致です。
いくら議論しても全員の一致が得られないこともあると思います。
刑務所官吏が家族を守るために出所した元受刑者を射殺した事件では
評議不成立だったようです。
判事が評議の時間の長さから、これを妥当として認めました。
すると、無罪の評決があったわけではありませんが、釈放になるのですね。
ただ、一事不再理で保護される無罪とは違って、再審理の可能性があると
いうだけです。
ただ、実際には、再審理というのは難しいのだと思います。
2 アメリカは刑事事件も当事者構造をとっています。
検察は”People”すなわち国民、市民の代理人だという構図です。
聞き取り力が貧弱な関係で”People”しか聞き取れないからということも
ありますが、マッコイ・エグゼクティブ検事補の口からはしばしば
”People”ということばが発せられています。
そこに使命感を感じます。
3 8回目は有罪は認めないまま、司法取引として刑に服するという結論でした。
こういうことがあるのですね。ただ、どういう意味を法律的に持つのか
今の私にはわかりません。
真相は、息子の身代わりのようです。ある犯罪について犯人がいるわけです
から一件落着となり、息子に対する訴追の可能性はなくなります。
こういうことがあるということを今は覚えておくしかありません。
4 逆に、事実関係についてははっきりと認めさせ、そのうえで、刑事事件に
ついては無罪放免となった製薬会社の事件がありました。
マッコイ検事補の狙いは、民事事件で被害者を救済することにあったようです。
だからこそ、事実を明確に認めさせる必要があったのです。
そして会社の方も、刑事事件を免れるためには、認めるしかないというわけです。
マッコイ検事、その足で早速民事事件の有能な弁護士と会うことにしていましたね。
5 どうやら、このドラマは、複雑多岐にわたる事件についての、戦術を学ぶ場の
ようです。
そしてそのような実際的柔軟な発想は、日本の民事事件の解決にも役立ちそうな
実戦的な考え方のヒントを与えてくれそうです。
ディードとは違った魅力があり、楽しみです。