岐阜の住宅設計事務所の でいbyでい

岐阜の住宅屋 タマゴグミの日々の他愛もないことを綴ったブログです。

今は昔

2015-10-05 | 日記

 

今は昔、ノーマンフォスターさんが設計した、香港上海銀行という有名なビルがありました。(って今もあるんですが・・)設計事務所時代、本をみながらいつか本物を見てやると思っていたビル。

今は昔ですね。なんかむなしさを感じてしまいました。

 

ちょっと3日間サボらせていただき、旅行へ行ってきました。目的のひとつはフォスターさんのこのビルを見るため。そしてもうひとつは

これに乗りたかったから。ただそれだけです。

フォスターさんの造ったビルでも170メートルちょっとの高さがあります。けど、そのクラスのビルがどんどん建ち、おまけに400メートル級のビルが建ってしまったので、こんな状態です。

このようなものを見ると最近思うことがあります。このビルたちの最後はどうなるんだろう。

 

この周りには200メートルを軽く越すマンション郡が沢山あります。日本とはシステムが違うかもしれませんが、通常は所有権を持ち、管理は住民で行うのが普通です。いくら技術が進んでも今のところコンクリートは年にコンマ数ミリ中性化していき、遠い将来は中の鉄筋がさびて崩壊します。

以前100メートル弱の賃貸マンションの施工管理を行いました。そのときの戸数は273戸、施工費100億円、もしこれが分譲マンションならこの建物を273世帯で面倒を見ていかなくてはいけないのです。

もし、建て直すとしたら、1戸あたり3700万円の負担です。月々2万円の積み立てとしても154年間かかります。しかしこれに解体費用と途中のメンテナンス費用を考えると、多分300年はもたせないと建て直しすら出来ません。

高度成長期は建て直す方法があったのです。簡単な話、100メートルのビルを200メートルにして、住戸数を増やして売りさばけば費用がまかなえたのです。

けど、人口が減りつづける昨今では不可能に近い方法です。

 

私たちの孫の孫の代位になったら、都市部で300メートル級の空家、それもいつ崩壊するかわからない空家郡が出来てしまうのかもしれません。

そんなことを考えてしまった旅行でした。

 

さてさて、現場の様子は

大垣の家です。足場が外れて現在内部仕上げの真っ最中。

カッコいいでしょ。全部はお見せしませんが・・・・

岐阜では、内部の建具やキッチン関連を工場で造っていますので、ちょっと空いています。

これも結構カッコいいでしょ。

そして、もうひとつ大垣の林町の現場では井戸を掘っています。

水道が通っていないからではありません。

お客様が敷地いっぱいにつくる畑や木々に十分なお水を与えたいからです。

 

こんな感じで現場は進んでいます。