岐阜の住宅設計事務所の でいbyでい

岐阜の住宅屋 タマゴグミの日々の他愛もないことを綴ったブログです。

性能が上がれば危険も上がる

2015-10-23 | 日記

 

 

世間を騒がせている横浜のマンション。私は評論家でもなんでもないし、あのような大型工事の管理から足を洗って20年近くになるのでコメントや考察などはやめます。そのかわり、住宅についてちょっとだけ。

先日、地盤調査及び保障会社の担当と事務所で話をしていました。

「地盤の事故って多い?」と聞くと

「たまにあります。しかし、地盤改良が不要だったところ、つまり何もしないところでは事故率ゼロです。地盤改良を行ったところで不具合がおきているのです。」

つまり、下手に手を加えたところで不具合が出ているのです。

たとえば柱状改良の場合、あれは水位が高いとか土の種類によっては固化不良を起こすのです。そうすると右側の杭は固まってじょうぶなのに左の杭が固まらず結果家の左側が沈んでしまうということもあるのです。

もしかしたら、改良をしなかったら家全体が一緒に沈んで傾くことが無かったかもしれません。

 

構造だって同じです。

最近は金物や高倍率の壁などが出てきて、昔の家に比べて地震には凄く強いのです。けど、場バランスが崩れた補強とかをすると、補強した部分が一気に崩壊して瞬時に崩れることも考えられます。

 

温熱環境もそうです。

高気密高断熱になってくると、チョッとした隙間チョッとした断熱欠損部分に凄い勢いで結露がおきます。となると、そこから腐る可能性が高いのです。昔の家ならスカスカだったのでそんなことは無かったのですが。

 

高性能になるということは、リスクも高いということを施工する人間は常に意識する必要があります。

また、設計する側はリスクが高くなっていることを理解して、常にバランスを考えながら設計する必要があるのですね。

 

さてさて、現場の様子です

岐阜の街中の家、こんな感じになりました。

2階リビングの様子ですが、3方がビルに囲まれてる割には明るい感じになっていてホッとしています。

大垣林町の現場です。

地中梁の様子です。

タマゴグミの基礎は、内部の立ち上がりを極力減らし空気の通りをよくすることと、メンテナンス性を上げる工夫をしています。

通常立ち上がりで耐圧板を補強するのですが、タマゴグミの場合は構造計算をして(と言ってもパソコンにしてもらうのですが・・)地中梁をこのように入れています。

11月中頃上棟予定です。