GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

鍋の一番は何だ?あん肝の美味さ。

2016-01-10 07:25:17 | FOOD&DRINK
寒い日は鍋。
日本酒やビール片手に鍋。至福だね。
理想は古い民家で、囲炉裏の上で手鈎でつられた鍋で喰う。
民宿や旅館でもなかなかお目にかかれないから諦めてるので、カセットコンロでもガスコンロで三島の鍋でつつくのも問題ない。

友達同士で集まって食材をあれこれ買って(えっそんなの入れるの?ってのもある)ワイワイ言いながら喰う。
鍋パーティって言葉があるが、一緒に鍋をつつくと、一気に気心しれた仲間になるね。これぞ飲みニュケーション。

全国的に一番ポピュラーなのは寄せ鍋だろう。何入れてもいいからね。ちょっといきすぎると闇鍋みたいになってしまうが、それはそれで面白い。
すき焼きは全国どこでもおこなわれてそうだが、関西風の肉を食べてから野菜や豆腐を食うパターンと、割り下入れて牛鍋のように煮込むパターンで別れてるね。
でも、本音を言えば、カニ鍋ならカニだけ、てっちりならフグだけ、湯豆腐なら豆腐だけ。メインだけを入れて食べたい。
キノコ鍋や寄せ鍋みたいに入れた食材から出汁が出てそれが旨味だってものは別だが、メイン以外がいっぱい入るとちょっとね。
特に春菊とかね。あれを入れられると、カニにもマロニーにも豆腐にもくっついてきて、全部春菊の味になってしまう。
しゃぶしゃぶもあんまり俺は好きじゃない。豚の薄切りとかタコ、アワビならシャブシャブで食べると美味しいが、牛のシャブシャブはどうなの?焼いたほうが美味くね?

いろんな地方で接待されたり、お店やご家庭で鍋をご馳走になったが、鍋をつつくと一気に親密な関係になる気がするね。付き合って間もない恋人どうしは焼肉より鍋のほうがいいのでは?

九州は鶏の水炊きと水だき(出汁が濁ってるか澄んでるか)とかアラ鍋だろうね。福岡では食べれない明太子鍋は大阪で食えるよ。

四国は何だろう?四国で鍋を食べた記憶がない。
香川は讃岐うどんでのうどんすきみたいな鍋あるのかな?高知のカツオを使った鍋ってのもあまり聞かないな。暖かい地方は鍋文化があまり発展してないのかな?

中国地方は牡蠣やフグの鍋だろうね。瀬戸内海の豊富な新鮮な魚介があるから鍋より刺身ってイメージ。
鳥取でババちゃんの鍋を食ったがあれは美味かった。でも、大阪でババちゃんやゲンゲは手に入れるのが困難だ。

大阪は冬になったら当たり前のようにカニ、フグを食う。クジラのハリハリ鍋も美味しい。うどんすきも有名だけどあれは大阪うどんの老舗美々卯さんの登録商標だよ。

京都は湯豆腐や鱧鍋。なんといってもすっぽんの丸鍋は別格。鍋の中で一番美味しいんじゃないかと思ってるが、家で手軽にできないし、お店で食べるとお財布の中から福沢諭吉さんがあっという間に消えていく。

和歌山はクエ鍋。九州のアラ鍋でもアラの代わりに九絵が最近使われてるけど、どちらもそれぞれ美味しい。クジラの本場だけど、ハリハリ鍋より刺身だな。

三重/伊勢は牡蠣や伊勢海老を使った鍋とか、松坂牛を使ったすき焼きとかかな?鍋を食べた記憶がないな、桑名では蛤鍋が食べれるそうだが、食べたことがない。

名古屋も鍋の印象がないな。味噌煮込みうどんが美味しい。あれは一人鍋の傑作だよね。味噌使いがうまそうだから土手鍋とかも美味しそう。

北陸はやっぱりカニ鍋。松葉、ずわい、越前蟹の鍋って、無口になって一気に食ってしまう。ブリしゃぶも美味しい。
い尻を使った鍋は独特だね。ちっと苦手。貝焼くらいまでかな。

静岡はおでんかな?駿河産の桜エビを贅沢に使った沖上がりって鍋を食わせてもらったことがあるが、甘いのよね。漁で体が冷えた漁師が食べる分にはいいかもしれないね。桜エビだけのかき揚げの方が俺は好きだね。鰻や

東京はドジョウのどぜう鍋とか、もつ鍋とか、牛鍋ってあるけど、どれもうーんって感じ。東京ではフレンチやイタリアン食べた方が満足する。
鍋じゃないけどもんじゃ焼き?広島や関西圏の人間にあれは無理。

秋田はハタハタのしょっつる鍋だね。最近は兵庫、島根、鳥取産のハタハタが手に入るし、しょっつるも手に入るから最近よく食べる。本場で食べてないからどうこう言えないが、大阪で売ってるハタハタにはブリコがないのばっかりだからちょっと寂しい。
秋田といえばキリタンポ。でも、ご飯を加工したものは、おはぎ、おこわ、赤飯、桜餅、すべて苦手だからキリタンポも苦手なのです。比内鶏のスープはうまいと思うけどね。

岩手や山形は芋煮だろうね。毎年シーズンになると河原や土手でいろんなグループ、家族が芋にやってるらしい。是非一度参加したいものだ。

北海道はシャケのチャンチャン焼きが有名だけど、あれは鍋じゃないな。
ジンギス汗か。友人のところに泊まったとき朝からジンギスカンが出てきたときは、ちょっと勘弁してくれって思った。

東北はアンコウだろね。
西のフグ、東のアンコウと言われるくらいだから。
コレーゲンもタップリですっぽんより安い。フグやカニより手軽だ。
鮟鱇には七つ道具と言われるものがある。
その中で貴重なのは肝。通称アン肝と呼ばれ居酒屋や小料理屋の定番メニューだ。
アンコウ鍋を扱ってないところでもあん肝ってメニューがあるくらいだから、これだけ別に流通してるのかな?

肝はうまい。
今じゃ焼肉店では食えなくなった牛の生レバー。ごま油とネギと生卵をからめて食うとうまいんだけど、今じゃ食えないのが残念。
焼き鳥屋での定番、鳥の肝。煮付けてもうまい。砂肝は胃だから正確には肝じゃないけどこれもうまい。
魚の肝で言えば、カワハギやウマズラハギの肝。新鮮なやつを醤油に溶いて刺身を食うと至福。
うなぎの肝。うな重の上を頼むと肝吸いが付いてくる。あの肝はあんまり美味しくない。
フグの肝。ドクがあるから食えない。三年くらい漬けたらドクが抜けて食えるらしいが、俺は遠慮しておく。
フォアグラ。キャビア、トリュフと並んでフランス三大珍味。
確かにねっとりしてうまいがカラスミに勝ってるか?

話が長くなってしまったが、鮟鱇の肝。
これはフォアグラなんか目じゃないくらいおいしい。
居酒屋や小料理屋であればつまみに頼むが、これほど酒に合うものはない。

で、そのあん肝。いっつも行くスーパーの魚屋さんに声をかけられた。
「いいあん肝入ってるけどいる?」
もちろんいただくよ。嬉しい。常連になるとこんなお得な得点にであられることがあるからいいね。
えっ?こんなに入ってて250円?なんで?
中国産?加工物なら怖いけど海産物ならどこ産でもいいよ。

早速家に帰って下ごしらえ。
酒で洗って塩をしっかり振って冷蔵庫に。
3時間くらい経ったところで取り出して水洗い。ついでに血の部分を取るんだけど今回のはあまり気にならないので手抜き。
キッチンペーパーでよく水気を切ってラップでくるんでからアルミホイルで包む。
そして15分蒸す。





蒸し終わったら冷ましてから冷蔵庫に入れて、食べるときに取り出す。スライスして切れば居酒屋での定番風だが、ここは家だ。そのまま切らずに大根おろしと絡めてポン酢と七味で。

以上。あん肝の仕込みから調理でした。
クックパッドみたいな解説でしたね。(独自の創作レシピならまだしも。基本の調理レシピを得意げに載っけてる人ってどうなのかしら?)

これで原価250円。
鯛のお頭とか、ブリのアラとかと一緒でコストパフォーマンス高いよね。鱈の白子とかは最近人気出たから高くなっちゃったけどね。
鮭の皮とかイサキやタイの皮だけ売ってくれないかな?っていっつも思う。

鮟鱇の鍋もいいが、あん肝だけ食べるのも幸せ。
やばいなぁ。酒の消費量がますます増えちゃうよ。

西酒造 誉蔵 薩摩芋焼酎 九州限定

2016-01-10 05:18:39 | FOOD&DRINK
どの業界にも「それ以前」と「その後」っていうようなターニングポイントがある。
それ以前主流だったもの(ビフォーbefore)と、新世代によるその後(アフターfater)で主流が全く変わってしまう事。
音楽の世界で言えば、モーツァルトやビートルズ、LED ZEPPELLINやYMO、宇多田ヒカルなんかがそうじゃないか?
機器もカセット、レコード、ビデオからCD,DVDの登場、そしてダウンロードの時代。
野球で言えば、長嶋や王、野茂やイチローなんかがそうだろう。コンピューターで言えばwindows登場以前とその後。Macでもいい。

焼酎の世界でもこのビフォー/アフターが存在する。

焼酎といえば昔は日本酒より劣ると認識されてた時代。労働者が仕事終わりに飲む安酒ってイメージ。
80年代の甲類焼酎とシロップとソーダで作るチューハイブームで、焼酎は身近になったが、手軽な分だけ安酒のイメージを払拭できなかった。
しかし、90年代後半に、突如と現れた本格焼酎ブーム。
今までの焼酎の概念を打ち破る本格焼酎。
ソーダで割るチューハイ(酎ハイ)で飲むのではなく、スコッチやウィスキーと同じくはなく、ロック、水割り、お湯割で楽しめる本格焼酎。

焼酎の世界でそのターニングポイントの先駆けとなったのが、以前にも紹介した西酒造の西陽一郎社長。
それよりちょっと前に、それまでの匂いが、甘い、ベタベタする、悪酔いするって印象の日本酒の常識を打ち破った日本酒ブーム。
アルコール添加をやめ、米にこだわった純米酒、吟醸酒がブームになる中、日本酒より下に見られてた焼酎を一念発起して、本格焼酎を世に送り出す。

それが、富乃宝山。
黄金千貫と黄麹(日本酒に使われる麹)、蒸留後100日貯蔵で作られた富乃宝山。
それ以前のイメージを払拭する本格焼酎は、一気に全国で本格焼酎ブームを引き起こした。
魔王、百年の孤独、佐藤、村尾。生産量の少なかった本格焼酎は一気にプレミアがつき、当時高額で取引され、手に入らない状態にまでなった。
これをきっかけに各焼酎酒造、酒蔵は材料や麹、上流や貯蔵方法穂にこだわり、本格焼酎が主流になっていく。

鹿児島県の老舗西酒造の8代目西陽一郎氏。
いろいろな本で知った知識だから間違ってるかもしれないが、東京農業大学醸造学科時代に、安っぽく下に見られてる焼酎をなんとか世間に認めさせたかったらしい。
面白いのは、その時の2歳年上に今や手に入れるのも困難な日本酒「十四代」を作った高橋顕統氏もいて、仲よかったらしい。
「お前は焼酎の歴史を塗りかえるような焼酎を作れ」「俺は日本酒の歴史を塗り替えるような日本酒を作る」って。
で実際、それから数年後に、西さんは吉兆宝山で焼酎革命を起こし本格焼酎ブームを巻き起こし、創業380年余の高木酒造十五代顕統氏は十四代という銘酒を作りあげ、日本酒業界のターニングポイントとなり、地酒ブームを作った。


焼酎の魔王や野うさぎの走りと同じく、日本酒でもこの十四代や獺祭は高額で取引され入手困難になってしまった。一時期の越乃寒梅や菊姫なんかと一緒ね。
でもさ、それでもワインのロマネコンティの何年ものとか、シャンパンのドンペリやクルギュ、貴腐ワインのシャトーディケムなんかに比べたら安いんもんだ。
まだまだ日本酒や焼酎は世界レベルで見たら安いものなのかね。
イギリスが誇るスコッチ、ホワイト&マッカイやバランタインの30年ものでもそこまで高くない。日本が世界に誇るウィスキー、響の17年ものでもそこまで高くない。
でもさ、そんな高額のお酒は、どこかの会社の社長や役員が高級クラブで飲むか、セレブなハイソサエティマダムくらいしか飲めないだろ?

イタリアワイン、カリフォルニアワイン、チリワイン、ワインでも安くて美味しいのはいっぱいある。
日本酒でも山田錦や五百石など原料の米を吟味し、精米比率50%以上削り、丁寧に作られた純米酒(純米吟醸しゅ)でもお値段手頃で美味しいのはいっぱいある。
焼酎もそう。芋、米、麦などの原材料にこだわり作られ、安くても美味しい焼酎はいっぱいある。
中でも鹿児島の薩摩焼酎は、長崎の壱岐、熊本の球磨、沖縄の泡盛、コニャックやチーズと同じくWTOの地理的表示を認められてる。
もっと世界的に価値が認められて高額取引されてもいいような気がするけど、普段飲みにはやっぱりお手軽な方がありがたいな。

薩摩本格焼酎の中でも、西酒造の焼酎はお手頃価格だ。
生産能力が三万石以上だから、沢山作れるから希少にならないのかな?

黄麹を使った富乃宝山。
黒麹を使った吉兆宝山。
白麹を使った白天宝山。
そして創業以来の薩摩宝山(黒麹/白麹などあり)。
どのシリーズも値段が安定して、手軽に買えるのはありがたい。
天使の誘惑という、常圧蒸留してから減圧蒸留をして、樫樽で3年半タンクで3年半寝かした40度の焼酎は、他のに比べるとちょっと高いけど、それでも百年の孤独や野うさぎの走りのように手に入れるのが困難ってわけじゃないからありがたい。

その西酒造の九州限定発売の焼酎が手に入った。
誉蔵(ほまれぐら)。
原材料:鹿児島産サツマイモ(契約農家)/米麹(国産米)白麹
アルコール度:25度。

これがまたお安いのに美味しいのよ。
芋焼酎独特の香りは、だいぶ抑えてあるから減圧蒸留かな?
ネットで調べてみたら(便利な時代だね)貴醸仕込という、日本酒の製造方法で造られてるらしい。
水のかわりに熟成いも焼酎で仕込んでるのか。それでこのスッキリしてるのに、かなり濃醇な味わいなんだね。
鹿児島県内でほとんど飲まれてしまうらしく、全国に流通してないから次回手に入れるのは大変だな。
ちびちびケチって飲もう。

って、このブログ書きながら飲んでたら、すでに半分近く減っている。
西酒造の焼酎は飲みやすいから危険だね。









新年早々図書館でブチ切れる

2016-01-10 03:51:56 | BOOK/COMICS
今の世の中、あかんやつらが多すぎる。
あかんっていうのは大阪弁でダメとかって意味で使う言葉だ。
この「あかん」って言葉を最近よく使ってしまう出来事によく合う。

今日、図書館に本を返しに行った。
図書館ってのはいいね。面白そうだけど自分では買おうとは思わない本がいっぱい。
おっこの新刊読みたかったんだ、これは読んでなかったな、この写真集は面白そうだ。なんて本棚で出会うと嬉しくなってしまう。

小学生の頃から図書館はずっと使ってる。
漫画や小説、新刊なんかを結構衝動買いで買うようになって、今や家に1万冊近くの本があるが、それでも図書館に行ってしまう。
活字中毒かな。
おかげで世界の名作、日本の名作って呼ばれる本はほとんど読んだ。
でもさ、今考えると小学生の頃、夏休みとかに読書感想文って書かなきゃいけなかったけど、あれって無茶よね。
小学生に川端康成の「雪国」とか「伊豆の踊子」読ませたって、面白いわけがないじゃない。それで感想書けって?
江戸川乱歩とかならわかるが、夏目漱石や太宰治とかを小学生が読んで面白いわけがないよな。

さて、その図書館。
三連休の初日だからか結構人が多い。座って読める席もほとんど埋まってる。
正月休みの後で特に行くところがない人が多いのかな。年末にまとめ借りした人が返しに来たのかな。
普段なら本を返して、適当に本棚並べて、ちゃっちゃと帰るんだが、今日は特にすることがないので、じっくり探そうか。
おっ「日本魅録」が入ってる。今じゃ演技のすごい俳優として確固たる地位を持つ俳優、香川照之が2006年ブレイク直後に書いた本。

なんだ?「織田信長 四三三年目の真実」。作者は明智賢三郎って明智光秀の末裔か?

「激安食品の落とし穴」。これも面白そうだ。ハンバーガーが100円って安すぎるもんな。どんなカラクリが裏にあるんだ?


なんてピックアップしてたら、子供のぐずる声が。だんだん大きくなる。
図書館は静かなのが当たり前。携帯電話の着信音でさえバイブか無音。当たり前だろ?
静かな図書館に響き渡る子供のぐずり声。親はどこにいるんだ?
周りの人間も「うるさいなぁ」「静かにさせろよ」ってチラチラ声のする方向を見てる。
誰か注意してくれないかなぁって待ってる。誰も注意しない。
ぐずるガキの声はどんどんエスカレート。声の方が気になって本をじっくり探すどころじゃない。
仕方がないから声のほうに歩いていく。
なんと、親はいるじゃないか。その親の足元ででこのガキはぐずってる。なぜこの親は注意しないんだ?
周りに迷惑をかけてるって思わないのか?本に夢中でいつものぐずりだからとほったらかしにしてるのか?それとも「うちは自由奔放のびのびとしからなく育てるの」とでも言いたいのか?

なんだ、親がいるならそのうち黙らせるだろうと、一旦は通りすぎ、Uターンしてまたさっきまでいた本棚に戻る。
おいおい、どうなってるんだ?ぐずる声がどんどん大きくなる。親は何してるんだ?
イライラするなぁ。もともと子供は好きじゃねぇ。天使みたいな笑顔をされると弱いが、ぐずったり傍若無人のガキは嫌いだ。
スーパーや電車で騒ぐガキとかには、親がいようといまいと平気で怒鳴りつける。俺はそんなに甘くない。

親はもうだめだ。しかる気も釣れ出す気もないんだろう。
図書館の中にいる人間もだめだ。こんだけいて誰も注意しようとしないのはなぜだ?
図書館の係員とかもなぜ注意しないんだ。
イライラがピークに達する直前「あかんやつら」って本が目に入った。
文芸春秋から2013年に初版刊行された本で、サブタイトルが東映京都撮影所血風録ってあるように、映画が熱かったころの俳優や監督の裏話満載の本だ。
タイトルがいい。今の俺の感情にぴったりだ。手に取り、今まで抜き出した本を片手に貸し出しカウンターにいく。

ぐずるガキが視界に入る。
今度は通路に寝転んで喚いてる。酔っ払いよりタチが悪いなこのガキは。親はどこ行った?
なんと2m離れたところでしゃがんで子供を笑って見てる。
「あかんやつら」
沸点に達した俺はガキの直前で立ち止まり、大声出して周りに迷惑をかけないように低い声で言った。
「おい、お前邪魔。」「10秒以内に黙れ。そして立て。」「もし黙らへんのやったら平気で俺は踏むぞ。」
ガキは黙った。やればできるじゃん。

次は親だ。同じく低い声で、
「お前なんで黙って見てるねん?」「お前の教育方針はよくわからんが、ここにいるすべての人に迷惑かけてるの気がついてへんのやったらお前はただのバカ」
何があったのかよくわかってないが、とりあえず静かにしてようと立ち上がって親の元に駆け寄るガキ。
不服そうな顔で俺を睨む親。
あかんやつってこんな奴だな。

静かになったって安堵の図書館利用客。ほっとした顔と同様に「そんなにきつく言って大丈夫?」って顔。お前らはなぜ注意しなかったんだ?誰かがしてくれるだろうってか?人のことに構うとろくなことがないってか?
お前らもあかん奴だ。

そしてカウンターで貸し出し処理をしてくれてる最中に図書館職員に聞いた。
「君たちはなぜ注意もせず黙ってたんだ?」
あの親は町の実力者か?役所のお偉いさんか?議員さんか?どんな田舎町やねん。

職員はポスターを指さした。
そこには「土曜日は赤ちゃんデー」
だから何?なにかよくわからんので「だから何?だから注意しないって?」って聞いたら、
「上のものに言っておきます」って。言う気ないやろ。

あのぐずってたガキは幼稚園くらいだけどあれを世間では赤ちゃんというのか?
ポスターをよく見たら土曜日の赤ちゃんデーはam10:30-12:00だ。今は15:00だけど?
しかも断り書きで「託児所じゃありません。」「他の利用客に迷惑にならないように」って書いてある。
何じゃそりゃ?兄も注意しなくていい理由が見つからないけど?

静かな図書館でぐずるガキも、それをほったらかしにする親も、注意できない利用客も、注意する気の無い図書館職員も。
全部あかんやつら。
そして平気で周りに迷惑かけてる子供に対して、本気でしばくつもりで脅せる俺も、あかんやつか?