GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

零戦 71年ぶりに日本の空を舞う

2016-01-28 02:19:57 | BOOK/COMICS
零戦が日本の空を舞った。
鹿児島県鹿屋市の空を。
鹿児島県には多くの出撃、訓練基地、飛行場があった。もちろん特攻用の基地も。
71年ぶりらしい。よくぞ飛ばしてくれた。
ニュージーランド在住の会社経営石塚政秀さんが私財をなげうって、さらに寄付を募って実現させた。すごいなぁ。ありがとう。クラウドファウンティングなら是非参加したかった。

だって、零戦だよ。
子供の頃に最初に作ったプラモデルは零戦だった。あれから零戦の本や戦争の本はたくさん読んだ。
第二次世界大戦開始直後、世界で比例なき優れた戦闘機。イギリスのスピットファイアも、ドイツのメッサーシュミットも敵わない。スピードと旋回能力、急降下能力を備えた世界最強の戦闘機。宮崎駿の風立ちぬでも描かれてるが、堀越と曽根の二人の設計技師による努力と執念の結晶。それが零戦。

当時の飛行機乗りは零戦に誰もが憧れたらしい。だけど、訓練生、練習生の誰もが戦闘機乗りになれるわけじゃない。優れた成績の者、そしてその中から一握りの優秀なものだけが戦闘機に乗れ、さらにその一握りの者だけが零戦に乗れる。そう、世界最強の性能を持つ零戦に、優秀な航空技術を持った搭乗員が乗る。
当時の米軍のマニュアルで戦線離脱しても構わない時の項目に「1,エンジントラブルなど飛行が困難な時 2,雷雨の時 3,零戦と戦わないといけなくなった時」とまで恐れられたのもわかる。

当時ドイツで最強を誇ったメッサーシュミットは航続飛行距離が出なかった。零戦は無給油で3000km。もし、ドイツが零戦を使ってたら(または空母での戦い方を知っていたら)ロンドンの空爆は成功して歴史が変わっていたかもしれない。
ただ、この航続距離が長いことが逆に司令部に無謀な作戦を生む。ラバウルからガダルカナルへの出撃など、愚の骨頂。560kmも飛んでから10分だけ戦って戻る。その間にも襲われるんだよ。いかに優秀な戦闘機乗りでもたまったもんじゃない。ミッドウェー海戦での惨敗をはじめ、トラック島、ソロモン諸島、レイテ沖、そしてガナルカナルノ戦闘などは、すべて最初の零戦と空母の活躍で甘くみ過ぎた司令部のせいだと思う。今でもそうだが、現場を知らない官僚は理論だけで物事を進めようとする。奴らは保身だけがすべてだったと言ってもいいだろう。

その愚の骨頂が特攻計画。スーサイドアタックと呼ばれ米軍を恐怖に貶めた捨て身の作戦。あれで何人の優秀なパイロットを失ったんだ?制空権を手放した日本にもはや勝ち目は無かっただろう。
特攻は自殺強要だ。特攻は今の自爆テロと変わりない。そんな平和になってから騒ぐ人がいる。戦争なんてどっちにしろ殺し合いだ。人命はないがしろにされてる。良識人とやらが特攻で4000人もの若者が亡くなったって言ったりするが、アメリカのドイツ侵攻の航空戦だって5000人の若者が死んでいる。それ以外にも各地の戦闘で何人亡くなってるんだ?今も各地で火の手が上がってるが、でもそれが戦争という愚かな行為なのだ。

映画「永遠の0」を見て特攻が美化されてると騒ぐ左翼。風立ちぬを見て零戦が美化されてるってわめく左翼。
少なくとも、あなたが今生きてわめいてられるのは、あの時代に我が身を顧みず戦ってくれた兵士と、それを支えてくれた女の人のおかげ。
せめて、批判する前に百田茂樹さんの原作本を読んでから言ってくれ。これを読んで、まだ零戦はどうこうというのならその人の感性はもう狂ってる。洗脳されてるとしか思えない。



あれから71年。俺はその当時を知らないが。平和な空を零戦が舞う。生で見てみたかったな。