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バーボングラス片手のロックな毎日

映画 信長協奏曲 ネタバレ注意

2016-01-31 06:24:24 | MUSIC/TV/MOVIE
映画館に足を運ぶのは久しぶりだ。
一時期映画評論家になれそうなくらい映画を見てた時期がある。映画館で始まる前の予告編を見たら、その映画をまた観てしまう。映画館はもちろんDVDで家でも観る。そこに収められてる他の映画の紹介を見て面白そいうだとまた借りてしまう。返しに行ってまた借りるの繰り返し。映画ローテーションのせいで、ついにはTSUTAYAに行っても、ほとんどの有名どころは観てしまって、さらにマイナーなものも観てしまってたから、借りるものがほとんどなかった事もあった。

最近は全然映画館に行かなくなってた。
番宣や予告で面白そうだと思っても、がっかりするような内容のものに出会ったり、わざわざ映画館で見なくてもレンタルDVDやオンデマンドで見ればいいかな?って作品が多買ったせいもあるが。
劇場で観たいなぁって思っても、映画館の上映時間と自分のスケジュールが合わなかったり、気がついたら上映期間終わってたり。

映画は女の子とデートで行くのもいいが、映画は一人で見るに限ると思ってる。
観終わった後に「あのシーンはどうたら」とか「あの監督は他に何々を撮ってる」とか「あの俳優は」とか「あの演出は」とか話すのも面白いんだが、一人でじっくり観た方が楽しめる。人によって見方はバラバラだものね。

前置きが長くなったが、信長協奏曲の映画版を見た。
ちょうどナビオ阪急の前を通って上映時間見たら今から15分後にスタート。早速エレベーターを上がってチケットを買う。最近は自動券売機なのね。空いてる席も検索できて便利。小腹が空いてたからポップコーンとビールを買おう。列に並んでパネルのメニューを見てたらビールがない。順番が来てシートのメニュー見たらビールがあってほっとしたが、なんと800円くらい。それなら下のコンビニでか缶ビールかてきたらよかったな。
座席シートは格段に座り心地良くなってて、スクリーンも綺麗し、音もいい。これで1800円って安いと思う。

映画が月9ドラマのTV版の結末編みたいな位置付けだからか、若い客が多い。左隣の客は学生みたいな男5人組。右隣はカップルだ。
近日公開予定の予告を観るところから俺の映画鑑賞は始まっているんだが、左隣の男らはスマホゲームをずっとしてる。右隣のカップルはずっと喋ってる。もし映画本編が始まってまだそんなことをしてたら怒らなきゃいけないなぁ、なんて思ってたが会場が暗くなって本編が始まったらおとなしくなったからよかったよ。



ここから先はネタバレになる部分もあるから「今から観よう」とか「DVD化されたら借りよう」なんて思ってる人は読まないでくれ。



結論から言う。
この映画はわざわざ映画館で見ないでもいい映画だ。
ドラマスペシャルとかで十分だったんじゃないのか?
フジテレビの策略にまんまと引っかかってしまった気がする。観ようかどうしようかな?って思ってる人は金曜ロードショーで放映されるの待つか、またはDVDになってから見たほうがいいとお勧めする。

石井あゆみ原作漫画が面白く、ドラマ化された時も期待したんだががっかりした記憶が蘇った。
小栗旬が悪いわけじゃない。彼はマンガ原作の実写版ドラマに数多く出てるし、生田斗真、上野樹里と演じたウロボロスなんかは原作忠実どころか原作越えの素晴らしいドラマだった。今回の信長協奏曲で秀吉役をしてる山田孝之との間も、荒川アンダーザブリッジと同じく悪くない。

ただ、脚本が悪い。それ以前に制作側の主題が悪い。なんだよこの陳腐な時代劇恋愛ドラマは。
戦国時代にも愛はあっただろうが、観たいのは戦国ドラマだ。刀や槍、鉄砲、騎馬、肉弾戦の戦闘シーン。これがまたなんじゃこりゃってくらいちゃちい。NHK大河ドラマの方がよっぽどスケールがでかいし丁寧に撮ってる。
最悪なのは安土城の描写。なんで山の上に作った安土城で、さらに信長の居は天守の上なのに、そこから見える景色にソテツや草花があるんだよ。
時代考証も無茶苦茶。本願寺が挙兵するのは大阪福島で挙兵した三好党討伐の為に大阪入りした信長軍の油断をついて蜂起した。明智軍が孤立無援の奮闘をするところに信長が助けに行くのは、また別の時の話だし、信長が足を撃たれるのもまた違う戦いでの話。松永弾正が裏切るのはもっと後の話だし、信貴山で自爆するのもまた別の話。これらを一緒にして、さらにすぐ本能寺の変。おいおい、この間は10年あるんだが?

こういった漫画原作で連載中のものをドラマ化したり映画化するとよくあることだが、原作ではちゃんと描かれてる部分をメッチャいい加減にすっ飛ばして作られる。したがって、リアリティがないし。前後のつながりがいい加減になる。
歴史マニアとか戦国マニアのために作ってるんじゃ無い、一般大衆の娯楽だというのならそれはそれでいいが、戦国時代や幕末は一般人でも色々なドラマや本で知ってるからここら辺の時代考証や時系列をいい加減に作ると、なんかなぁって思ってしまう人が多いと思うのだが?

秀吉の憎悪も、光秀の思惑も、本能寺の変も山崎の合戦もほんと嫌になるくらい無茶苦茶。
途中に盛り込まれる濃姫(帰蝶)とのラブロマンンスもくどい。しつこい。
一体監督は何が撮りたかったのか?これが今の大衆受けする演出なのか?

久々に映画館で観た映画で久々にこう思う。「1800円損した」&「時間損した」
口直しに来週は「さらば あぶない刑事」を観てみよう。ナビオではやってないからブルク7で。これでコケたらしばらくまた映画館にはいかないな。