GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

清水富美加の出家

2017-02-14 00:29:44 | Talk is Cheap
清水富美加が出家したニュースばっかり。
安倍総理がトランプ米大統領と会談したことや、北朝鮮がまたミサイルを撃ったことより、清水富美加の方が取り扱いが大きいってどうなの?

ようやく売れ始めた女優が、いきなり仕事も全部ほっ散らかして出家する。
弁護士がいきなり出てきて事務所の悪口などを一方的に説明。

本人はずーと悩んでたのだ。
水着の仕事は嫌だったのに事務所に無理やり入れられたのだ。
給与は歩合制だったが、売れててきたら固定給に変えられ、しかし月給5万円だったんだ。
人を食べたりするような役を演じさせられ精神が破綻したのだ。
文句を言ったら干される等いう芸能界の悪しき慣習に耐えてきたのだ。
これらのことから彼女は出家を決めた。

この弁護士の会見だけを聞いたら
「芸能界はひどいところだ」「給与が5万円って」「嫌な仕事ばっかり入れられたらねぇ」
なんて思ってしまうかもしれない。

しかしさすがに芸能界の悪口を芸能人関係者や報道に言っても無駄だろう。
だって、そんなとこだもん。嫌なら初めから来るなよ。
色々な報道記事の端々に、それらが垣間見える。

特に芸能界側の言い分が同じなのは、給料が安くこき使わられてたってところ。
これには坂上忍が
「駆け出しの女優の給与が安いのは当たり前だろ?僕らの若い頃もそうだった。
とコメントしてるが、他の芸能関係者のコメントもほとんどこれとよく似たようなもんだ。

これは役者もモデルもミュージシャンも芸人もタレントも一緒だろう。
最初から高額の給料などもらえるわけがない。
いや、サラリーマンやOLじゃないんだから給与という考え方自体がおかしいかもしれない。

一般的に駆けだし(新人)が低賃金なのはどの業界でも一緒だ。
美容師でも作家でも漫画家でも職人の世界でもね。
一人前になるまでは師匠や事務所が育ててる。
色々なことを教えたり指導したり人を紹介したり仕事を与えたり売り込んだりってね。

その育て賃(教育費といったほうがわかりやすいか?)を考えず、会社員やパートなどと一緒のように、時間給や固定給である一定の水準の報酬を求めるほうがおかしい。
それが希望ならちゃんとそういう報酬をくれて労働契約を結ぶところで働けばいい。

「給料が歩合制だったのが稼ぐようになったら固定給になった。しかし5万円だった」
なんて清水側の弁護士は言ってるが、これってずるいよな。
清水はこれまで、嫌な仕事・断れない業界慣習の中で、低賃金でこき使われてた。って言いたいんだろう(思わせたいんだろう)
それなら実際は今、いくらの給与もらってたのかちゃんと言えよな。

所属事務所側は清水の給与形態について
「住居費や食費、人件費などで、多額の投資をしてきた」「近年は相応の額を支払っている」
と話している。
さらに同じ事務所の先輩にあたるリュージも
「安いのは認めます。でもそれが(この業界では)当たり前でしょ」
「最後にもらっていた金額もどうせなら発表して欲しかった。具体的には知らないけど22歳の彼女がもらっていた最後の金額を聞いたら、果たしてかわいそうだったと言えるかどうか」

また「稼ぎ出したら月給制に移行した」と言う清水側の主張についても
「稼ぐようになったら変わるんじゃなくて、契約している部署が変わったからでしょ」
「うちの事務所は芸能部門というのがあって、芸能部門は例外なく給料制」
「芸能部門に入ったから固定給になっただけで、稼ぐようになったからではない」

まぁ、どんだけ稼ごうがもらってようが、一般人(視聴者/他人)には関係ないことだ。
「そんなにもらってるんだぁ」と羨ましいと思うか、「それだけで頑張ってるんだぁ」と慈悲の目でみるかくらいなもの。
よく「青の売れてた頃は月給いくらだった」なんて今は落ち目の芸能人が語る番組があるが、芸能人がいくら稼いでるとか安月給だとか、プライベートを暴くのと一緒で一般人に伝えることかね?って思う。

清水側の弁護士は、所属事務所をブラック企業のように思わせようと目論み、芸能界のルールを悪しき慣習と断言することで、世論の同情を求めたんだろうが、これは失敗だな。
averの松浦社長が
「何でもかんでも労働法とかの型にはめないでくれ」
と言ってたが、ほんと、その通りだ。

9時5時の8時間労働1時間休憩、週40時間労働、残業は何時間まで。労働法が合ってない仕事はいっぱいある。農家や酪農、漁業だってそうだし、サービス業もそうだ。娯楽やエンターティメントの世界、TVや映画、演劇なんかもそうだろう。
この弁護士は、その世界独特の慣習や悪しき慣例なんていうが、それを提供されてる側・楽しむ側の人にはわからないだろうさ。ましてやその業界に入っていく以上、覚悟を決めてほしい。

最近はちょっと売れて。さぁこれからっていう時に「辞めまーす」ってのが多い。
アイドルや俳優にも多いな。
今からって時に辞められたら、なんのために育ててるのかわからないよね。
「自分のやりたいことを見つけた」
何て言い訳を必ずするんだけど、それなら初めからこの世界に入って来るなよって言いたい。

さまぁ~ずの三村マサカズは
「もったいないなー。ホントに。芸能界で成功するのって、一握りなんだけどな」「目標が、低いのかなぁ。確実に我々の世代とギャップを感じるなぁ」
って言っておられたけど、本当その通り。
覚悟がないんだったら最初からその世界選ばず、入らなければいいのにな。

「今のままじゃ通用しない」とか、「レベルの違いを見せつけられた」とか、「上の世界にはとても行けそうにない」。だから辞めるってのだったらまだわかるよ。実力や才能の違いやギャップ、ジレンマはこっちの世界では感じて当たり前だからね。その中でもがいて、努力して、練習して、視野を広げて、ってみんなもがいてる。諦めてやめていく人もいれば、誰かに助けられたり、引っ張り上げてもらったり、なんとか頑張ってる人もいる。

一般的にいう努力とは違うけど、そうやっててやっと売れる人なんて本当一握りだ。だから何が何でもその世界をやり続ける。限界を感じるまでね。
最近の若い人は、その限界が早く感じるのかね。
燃え尽き症候群?
他にやりたいことを見つけたっていうけどよそ見ばっかりしてるのかね。

「一生懸命」って勘違いされてるけど本当は「一所懸命」
一つのところで懸命に頑張るのよ。だから一所懸命。まぁ、それがライフワークになりゃ一生懸命でも正しいね。

で、せっかく売れたのに「事務所は何もしてくれなかった」とか「ずっと精神的に辛かった」って。
それなら次回の契約更新の際に「辞めます」って言えばいいだけやん。
CM2本、映画公開も幾つか控えてるらしい。
これら全部キャンセルかよ。どれくらいの人が迷惑すると思ってるんだ?
それで宗教の世界で出家?自分が救われたいために宗教にハマるならまだわかるが、救う側の方になれるのか?

さすがに宗教のことはタブーだからか、どのマスコミも、芸能界の面々もトーン低め。皆さん同じことを言ってるし書いてる。
どの宗教を選ぶのもご本人の自由だし、何を信じるのももちろん自由だ。

宗教や信心は仕方がない。誰にも何も言えない。
仏陀も大日如来も天照大神もキリストもゼウスもアッラーも。仏教でもキリスト教でもイスラム教でもゾロアスターでもヒンズーでもユダヤでも。どれが正しくてどれがおかしいとか、この宗教は良くてこの宗教はダメだとか、誰にも答えは出せない。
誰にだって信仰の自由はあるし、それを止める権利も義務も誰にもない。

宗教に入り込むのはいいの。その身を捧げていくのも一つの人の道だろうからさ。
でもね、いろんな人に迷惑かけて、それはそのままトンズラっていうのはね。

迷惑かけられてしまった事務所や映画会社、CMスポンサー、番組やその他関係者・スタッフはこれからテンテコマイで大変だろうな。
清水が辞めるのは別にいいのよ。きっちり辞めてればね。後釜はいくらでもいるし、その枠を狙ってる人からしたら「ラッキー」てなもんだ。
でも今回の辞め方はなんかなぁ。

せっかく前回の「バイプレイヤーズ」で田口トモロヲと寺島進と共演し、二人の演技に対する真摯な役創り、脚本や演出への取り組み方などを「勉強になりました」なんて言ってたのになぁ。あれも演技だったのかなぁ。
顔色がちょっと悪かったのは、収録時にはもう限界だったのかな。

なんか、以前に俺の後輩が同じように宗教にのめり込み、ある日突然出家した時のことを思い出してしまったから長々と書いてしまった。
その子から届いたハガキ一枚。びっしり書いてあったのは、今回と同じような不満や鬱憤、自己の限界や自己犠牲の葛藤だった。電話も通じず、出家した寺へ行っても修行中だからと会えない。それでそのままになってしまったのだが・・・。

あの時、彼女に言いたかったのは、今日ここに書いたことだ。