きのう、世論調査で菅政権の支持率は支持しないを下回ったと報道していた。
菅義偉は、新型コロナ対策を、厚労大臣の田村憲久ではなく、どんどん、ほかの大臣、西村康稔、河野太郎にふっていく。すると、菅がトップで新型コロナ対策を指揮していることになるが、国会で自分の考えをのべず、答弁を、全部、他人にふる。どうも、田村、西村、河野を競わせて、忠誠心をためしているみたいだ。保身と陰謀だけの菅に、国の統治を任しておいて大丈夫なのか、心配になる。
菅義偉は「はなしべた」と言われる。「はなしべた」であるからといって、べつに悪いことではない。誠意があればよい。熟慮するタイプであれば、当然、口が重くなる。かつての総理大臣、大平正芳は「ウオーウオー」しか言えなかった。口がうまいだけでは、ちゃらちゃらして、国策を誤る。
菅義偉の問題は誠意がない。正直でない。劣等感が強くて、威張って見せる。自説に固執する。
菅義偉は、いまだに、日本学術会議会員任命で6人を拒否した理由を明らかにしていない。加藤陽子以外しらないと菅自身が言っているから、単に、自分に任命権があることを誇示したくて、どんな実績がある人か知らずに、拒否したと思われる。この事件が契機で、加藤陽子の著作を読んだが、任命拒否される理由がわからない。どちらかというと、彼女は保守よりの人で、統治者に優しい。
きのうの衆院予算委員会で、菅義偉は、2020年度第3次補正予算案に計上した需要喚起策「GoToキャンペーン」費用約1.1兆円について、「地域経済の下支えに貢献するものだ。しかるべき時期の事業再開に備えて計上している」と述べ、野党の組み替え要求を拒否した。補正予算だから、この3月までに使う追加予算である。
新型コロナ感染の拡大をおさえるには、みんなが免疫をもつまでは、人と人の接触を避けるしかない。三密をさけるという感染対策が有効である。それなのに、政府が、「GoToキャンペーン」で、わざわざ三密を煽るなんて、許されない。「GoToキャンペーン」を引っ込めると、自分がバカにされたと感じるから、一度言い出したことに菅は固執する。彼は劣等感のために物事を理性的に考えられない。
政府が煽らなければ、感染も地方に拡大せず、みんな静かに会食でき、飲食店の時短もなかった。
今、保健所機能や病院経営の破綻が叫ばれている。1.1兆円を回して、なんとか医療崩壊を防がないといけないのではないか。
保健所の電話受け付けや安否確認に新たな人を雇用したら良いのではないか。電話が自動的に記録されるとか、また、適切な応答がパソコンの画面に表示されるとか、コールセンターで使われている設備が導入できるのではないか。また、飲食業や接客業で職を失った人たちを一時的に雇用したて、彼らを救ったらよいのではないか。
石原信晃がすぐPCR検査が受けられ入院できたことを上級国民と非難する声があるが、国民が望めばPCR検査を受けられ、入院ができるようにするのが本筋で、1.1兆円のいくらかを回せば、解決することである。自宅待機やホテルでなく、陰圧がある病室を作ればよい。
また、変異種コロナの発生が叫ばれているが、自民党の武見敬三によると、日本では厚労省が行政検査にこだわって、国立感染研究所でしか遺伝子解析が行われていない。現在、遺伝子関係の結果がでるのに2週間かかっているという。遺伝子解析は、50年前は大変な技術であったが、いまや、普通のありふれた技術になっている。英国では、政府が38億円のお金をだして、医療機関、大学、民間研究所を横断した組織を作り、即日に遺伝子解析が終わり、データベースに登録され、治療薬やワクチンの研究開発に使われているという。ここにもお金を回すべきではないか。
菅義偉の「ふるさと納税」も、地方自治体のサービスを滅茶苦茶にしている。地方自治体が政府に代わって福祉サービスをしているのだから、その分は、人件費を含み必要経費を国が支払うべきである。
日本のどこにいても平等な福祉サービスを受けられるなら、地方から都会に人は逃げない。
返礼品で「ふるさと納税」を煽って、それを「善意の寄付」として、国税の控除対象とする。菅義偉の考えだすことは、人間のセコさを利用した思いつきである。問題の本質に立ち入らず、選挙対策の小細工にすぎない。
菅義偉は啓蒙ではなく、愚民化ばかりをおこなう。きっと、菅自身もバカなのであろう。
現在、国会で審議中の感染症法改正も、特措法改正も、政府がなにか新型コロナ対策をやっているフリをするためのもので、「厳罰化」で新型コロナ対策の成果があがるわけではない。菅義偉は、医療関係者や疫学研究者やウイルス研究者や遺伝子研究者などの助言を無視し、劣等感から自説にこだわる。
こんな菅義偉を総裁に選んだ自民党は、無知で利己的な暴力集団である。