きょうの朝日新聞社説『物価対策 負担分かち合う戦略を』の見出しは、社説の趣旨とずれている。
社説は、「ロシアのウクライナ侵攻で加速した物価高に対応する緊急対策」として、予備費の中からガソリン価格を抑える、補助金の拡充を柱とする政府の「緊急対策」を、「税金の使い方として重大な問題がある」とするものである。
現在、日本で進行の物価高は、急激な円安によるものである。きょうの午後7時のNHKニュースでは、130円後半に突入したという。日経電子版では、午後10時現在、130.73円から130.76円である。まだ、「ウクライナ侵攻」の影響ではない。西側諸国のロシア経済封鎖はまだ一部しか実行されておらず、その影響は半年から1年後であろう。
現在の物価高は、安倍政権の推進してきた株価操作、異次元の金融緩和に問題がある。円安を招く政府与党の経済政策を改めず、お金のバラマキでこの物価高を乗り切ろうというのは、安易すぎるし、新たな禍根を生む。
社説は、また、「ガソリン価格の形成に政府が介入し続ける」ことを批判する。
なぜ、ガソリン価格を柱にするのか。輸送を担うトラックはディーゼルエンジンではないか。軽油の価格が問題ではないか。自家用車を使う人には、この「円安」の痛みを実感してもらい、ガソリンを使うことを遠慮してもらったほうが良いのではないか。
社説は「値上がりで自然に需要が抑えられる働きを妨げ、脱炭素社会にも逆行するからだ。燃費の悪い大型車を持つ富裕層にも大きな恩恵が及び、所得分配をゆがめかねない」と言う。ここ数年、小金持ちがやたらと大きい高級車を買っている。燃費ということが社会の共通理念から落ちている。
物価高対策は、円安を招く政府の経済政策を改め、生活保護費とか年金の額に、物価の上昇分を反映することではないか、と思う。
野党の立憲民主党は、慢心の政府与党のバラマキ政策を激しく批判して撤回させるべきである。泉執行部は何をしているのか。
朝日新聞も12面に社説をひっそりと掲載するのではなく、1面にもってきて、政府与党を罵倒してよいと思う。