きょう日経平均株価が先週末より160円上がった。自民党総裁選で高市早苗候補が勝つ可能性が出てきたからだという。アベノミクスが復活することを期待してだという。
まことにバッドニュースである。そうなったら悪夢である。
岸田文雄は、3年前の9月、「新しい資本主義」を唱えて自民党総裁になり、日本の首相になった。「新しい資本主義」となんだったのか。行きづまっている「資本主義」を建てかえる話ではなかったのか。
自民党総裁選では、経済のまっとうな討論は行われなかった。
小泉進次郎の言うように解雇しやすくすれば、景気が良くなるのだろうか。小泉純一郎の規制緩和が国民に何か利益をもたらしたのだろうか。
アベノミクスの3本の矢「財政政策」「金融政策」「成長戦略」は昔からマクロ政策である。単に「機動的財政策」「異次元の金融緩和」「国家戦略特区」と言葉を飾っただけである。日本の産業の競争力は安倍政権下で沈下続けた。日本の大企業の経営者に甘い税優遇政策や資金調達の便宜をはかれば、景気が浮揚するということはありえるのか。安倍政権が唱えた2パーセントインフレ目標に何か根拠があるのだろうか。
高市早苗が安倍晋三の経済政策を受け継ぐということが誰にとって良いことなのか。
岸田文雄は、小泉純一郎、安倍晋三の誤りを修正するために、「新しい資本主義」を訴えたはずである。新NISAが目標ではない。
資本主義の云う自由市場は虚構である。現実は、生産者・流通者・消費者の価格形成力は産業ごとに異なり、自由市場はない。需要と供給のバランスで価格が決まるのいうのは、短期的にはウソである。生産者が価格形成に力を持っていれば、需要が増えれば、価格を上げるか、生産量を増やすかの選択は生産者にある。
いま起きているインフレを、経済の拡大と賃上げの好循環にすると岸田政権は言っているが、そんなことは歴史上起きたことがあるのか。
「新しい資本主義」なんて、そもそもありえないのか、単に日本の政治家や経済界の質が悪いから実現できないのか、政治家が信頼できない以上、経済学者は本当のことを発言すべきだと考える。
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