猫じじいのブログ

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軍人がいるから戦争が起きる、自衛隊は違憲

2019-05-16 21:18:09 | 戦争を考える


安倍晋三は、何かというと、「自衛隊を憲法違反とする共産党が」のワンフレーズを繰り返す。まったく、安倍晋三は不愉快な男である。自衛隊を良しとしないのは共産党員だけに限らない。

私の母親は軍人が嫌いだった。私の子ども時代の大人の多くは自衛隊をウサン臭いものと見ていた。だから、その疑いの目をそらすため、自衛隊員がやたらと災害復旧に駆り出されていた。
もし、自衛隊が災害救助や復旧のためなら、国土交通省の下に、災害救助隊、災害復旧隊、国土整備建設隊として、おけばよい。失業対策にもなる。

軍隊は戦争をするためにある。戦争は、利害からくる争いを解決するための、究極の暴力、組織的大量殺人である。

軍人と兵卒とは区別しなければならない。軍人は戦争の指揮と兵卒の訓練を行う職業人である。兵卒は権力者に駆り出されて殺し合う消耗品である。

私の母親の怒りは、人びとが殺し合うのを良しとしなかったからだけではなく、軍人と軍人の家族が戦中やたら威張っていて、人権を無視し、理屈に合わないことを彼女にしいたからである。妊娠していた私の母親は、空襲で燃える家を消火する訓練に駆り出され、夫は赤紙で中国戦線に一兵卒として連れていかれたのだ。

イノベーション論で有名な、資本主義大好きの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターは、軍人がいるから戦争が起きるのだ、と言っている。軍人は、自分の身分を守るために、危機を叫んで軍備を拡張し、結局、抑止力にならず、戦争を起こしてしまう。死ぬのは兵卒たちである。

実際、軍人がいかに危険かは、第1次世界大戦後のドイツにおいて、ドイツ帝国の再興を狙ったドイツ軍部の陰謀活動に見られる。アドルフ・ヒトラーは軍部の陰謀活動の駒であったが、軍部の意図を大きく越えて、独裁者になった。

市民戦争(いわゆる南北戦争1861-1865年)で大量の死傷者を出したアメリカ国民は、心の底では反戦である、と放送大学の名誉教授、高橋和夫は言う。市民戦争後のテキサスやハワイの併合は、アメリカの国軍が行ったのではなく、一部の失業軍人が勝手に行ったことである。アメリカ国民は第1次世界大戦のときも第2次世界大戦のときも参戦に反対であった。

ところが、第2次世界大戦後、ハリー・トルーマン大統領が国軍を縮小しなかったことから、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争と、反戦のはずのアメリカ国民が巻き込まれていく。

戦前の中国侵略も、当時の大日本帝国政府の承認なしに、関東の陸軍軍人が勝手に始めたものである。

不思議なことに、全方位恫喝外交をするトランプ大統領は、軍人の報告を信用しない。自分たちの組織とお金を確保するために、軍人は危機をあおっていると考える。この点だけは、シュンペーターと同じだ。

いっぽう、軍人でもないのに、安倍晋三は、なぜか、軍事的危機を叫んで軍備を拡張し、改憲を行おうとする。

現行憲法の第九条に次のようにある。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

憲法第九条は、まさに、戦前の軍国主義の完全なる復活を妨げる封印なのである。改憲させてはいけない。ウサン臭い自衛隊を白い目で見なければならない。


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