猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

国が軍需産業を支援するというのは戦争の準備そのものだ

2023-05-09 19:03:39 | 戦争を考える

5月9日、けさの朝日新聞で『防衛産業「国有化」可決へ』を見て驚いた。

法案の正式名称は「防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律案」という。この法案が、4月27日の衆院安全保障委員会で自民、公明の与党のほか、立憲民主、日本維新の会、国民民主の野党も賛成に回り、共産党だけの反対で、可決されたという。きょう、衆議院本会議で可決される見通しだという。

公明党、立憲民主党が反対しなかったことに怒るとともに、日本の議会制民主主義が機能しているのかを疑う。

「国有化」が問題ではなく、この法案は、日本での軍需産業を是認し、政府が積極的に支援するというのが問題なのだ。これは、日本のこれまでの平和主義を全面的に否定するものだ。

「防衛省が調達する装備品等」というが、法案を見ると第2条で「装備品、船舶、航空機及び食糧その他の需品(これらの部品及び構成品を含み・・・)」と何でもありになっている。装備品と言っても鉄板やナットなどの部品を作るのではなく、「構成品」というから、戦車や戦闘機やミサイルなど兵器その物を含む。

「開発」で、最新鋭の兵器の研究開発を含む。また、「装備移転」という名目で、外国政府に対して、有償・無償で譲り渡すことができると、規定している。兵器の輸出にGOサインを出しているのだ。

兵器というものは人を殺すものである。政府と軍と軍需産業が一体となったとき、国が戦争に向かうのは当然の理(ことわり)である。

私が子ども時代、みんな、それを軍産コンプレックス(複合体)と言って、あってはならないことだ、言っていた。それが、「日本の平和主義」の了解事項だった。

日本だけではなく、1961年1月、米国のアイゼンハワー大統領も、退任演説で、軍産複合体の存在と、それが国家・社会に過剰な影響力を行使する危険性を指摘した。アイゼンハワーは第2次世界大戦でヨーロッパ戦線を指揮した将軍である。戦争の悲惨さをその目で見てきた大統領である。国が軍需産業を支援してはならない。

こんな法案に賛成する議会政党のいい加減さに幻滅するとともに、直接民主主義の必要性を痛感する。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿