きのうのNHK総合「ニュースウォッチ9」が、日本に住むイスラエル出身者がイスラエルのガザ侵攻に反対していることを紹介した。NHKがこれをみんながテレビを見る時間帯に流したことを高く評価する。
彼は、子どものときからホロコーストの話を聞かされ自分たちユダヤ人が生きのびていくためには敵を殺さなければならない、と教育されていたので、何のこころの抵抗もなく、イスラエル空軍のパイロットとして爆撃に参加していたという。しかし、40年前に結婚して日本に住むようになって、徐々に考えが変わり、2008年にイスラエル軍がガザ地区に大規模な空爆と侵攻作戦を行い、子どもを含む民間人が犠牲になったことをきっかけに、それに耐えられなくなったという。
「多くの子どもを殺すことを、自分たちを守るためには仕方がないと片づけることが耐えられませんでした。私たちの教育がゆがんでいると考えるようになりました。」
「イスラエル国内にいる人たちは戦争やテロへの恐怖で支配されています。今、世界各地で反対の声があがっているが、外の人の発信が大切で、日本からも声をあげてほしい」
彼は、教育の怖さを語っていたと思う。イスラエル政府は自衛の範囲を逸脱し、軍事力の恐怖で非ユダヤ人を支配している。しかし、イスラエル国内にいると、なかなか、それが見えてこない。イスラエル国民は、世界には敵か味方しかいなくて、敵をせん滅しないと自分たちが殺されると思い込んでいる。右翼政権はその妄想を強めるために、教育を利用し、報道を制限している。
幸いにも、NHKに限らず、日本のテレビ局の報道部は、イスラエル政府のガザ軍事侵攻が人道上の限度を超えていることを、ありのままに伝えている。
日本に限らず、イギリスのテレビ、BBCも今回のガザ軍事侵攻で、事実を伝えるという姿勢を守っている。
きょうのBBCでは、ハマスとイスラム過激派とは別物だと解説していた。イスラム過激派は、ハマスがパレスチナ人のための政治を行っていることをナショナリストと批判しており、イスラム法による統治を求めているという。私は、ハマスをせん滅させるというイスラエル政権の姿勢は、イスラム過激派の復活という厄介な歴史のねじれを生むと考える。ハマスを全員を殺すのだ、そのためには、パレスチナ人に何万人の犠牲が出てもかまわないとする、現在のネタニヤフ政権を私は支持できない。ハマスはパレスチナ自治区での最初で最後の自由な選挙で過半数の票を得たのであり、ハマスとの交渉を拒否してきたイスラエル政府に問題がある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます