老いもあって、金曜日の夜は疲れ果てるようになった。今年は断り切れなくて、週4日、NPOで働くようになったのも、ひびいている。
きのうの夜もぼっとして、たまたま、NHKの時論公論「熱海土石流 強まる“人災”の側面」を見ていた。
すでに、7月3日の熱海土石流が、単なる自然災害ではなく、盛り土による人為的災害であるとメディアで言われている。
では、人災なら、誰が悪いのか、今後どうすれば、この人災を防げるのか、が問われなければならない。きのうの時事公論で、松本浩司解説委員は国の責任を問うていた。私にはストンと納得いくものであった。
土石流を起こしたのは、単なる盛り土ではない。神奈川県小田原市の不動産業者が、宅地密集地域の上流の谷に大量の建設残土を捨てたのだ。静岡県熱海市の現場は土石流危険渓流に指定され、下流の住宅地は土砂災害警戒区域に指定されて避難などの対策を進めている地域だった。熱海市役所は、小田原市の不動産業者に再三その撤去を求めたという。
松本の論点は、宅地造成の盛り土、ごみの不法投棄には、それぞれ規制する法律があるが、建設残土の廃棄には規制する法律がないことだという。現在、建設残土が捨てられるのを規制しているのは、地方自治体が決める条例しかないという。
条例の問題の1つは罰則の上限が最高で100万円で、罰金を払っても残土を捨てた方が儲かるということである。それ以上の問題は、各自治体の条例はバラバラで、残土処理の業者は、規制がゆるい自治体、条例がない自治体に出かけて、建設残土を捨てるという。
今回も、規制の厳しい神奈川県の業者が、わざわざ、規制のゆるい静岡県の土地を買って、建設残土をすてたのである。熱海市には建設残土を捨てることの規制がなく、ただ、市役所に盛り土の届けをすればよいだけなのである。市役所は自動的に受理することになり、建設残土の廃棄がわかっても、原状回復をさせることができなかったのである。
これは、国の責任である。建設残土の廃棄への安全規制、原状回復の厳しい行政処置、そして建設残土をできるだけ出さない国の指導が必要であったのだ。
これは、国土建設を無前提的に良しとするこれまでの、国の考え方に誤りがあったのではないか。建設残土が大量にでるような公共事業はとめるべきである。
たとえば、リニアプロジェクトは即刻やめるべきである。どうしようもないリニアプロジェクトなどやるべきではない。技術的に何の挑戦もない。科学技術の発展に何の貢献もない。単に土木会社の金儲けのための事業である。リニアよりも大量の高速輸送は、新幹線技術の延長にある。
また、駅前の再開発も自治体はやめるべきである。地元で商いをやってきた人に何のメリットもない。土木建設会社と全国展開の流通企業が儲かるだけである。
大きいものを作ることには何もいいことはない。これが、国の発展だ、地方の再生だと考える議員を、国会からも地方議会からも追放すべきではないか。
国土交通省大臣の赤羽一嘉も今回の土石流に責任がある。早速、法案を提出し、これまでの国の不作為を謝罪してもらいたい。公明党が土木建設業界とつるんでいることはないか。
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