私は暑い季節になるとポカリスエットを飲んで水分を補給する。かって、尿路結石を起こしたことがあったからである。
5月14日の朝日新聞に、大塚食品のポカリスエット工場内での不適切な衛生管理を内部告発した社員が、不当に配置転換され、うつ病を発症したとして、13日、同社を提訴した、と言う記事があった。
新聞によると、「同社員は大塚食品滋賀工場の品質管理課に勤務していた2021年11月、スポーツ飲料「ポカリスエット」の原料となる粉を入れていたポリ袋から樹脂片などの異物が検出されたことを知った。さらに、食品用ではないポリ袋に入れられていることも把握した」「(彼は)大塚食品が親会社の大塚ホールディングスや製造委託元の大塚製薬に報告しなかったことに危機感を抱き、22年6月、滋賀県食品安全監視センターに公益通報。同センターは食品衛生法に触れる恐れがあるとして大塚食品を行政指導した。」
品質管理の職にある彼として当然の行為だと思う。ところが彼は「別の部署への異動を命じられた。(中略)ほとんど仕事を与えられず、工場長ら管理職に囲まれた部屋で勤務することに。同8月、うつ病の診断を受け、約4カ月間にわたって休職を余儀なくされた」。
会社が工場長や管理者を罰せず、告発者を罰したことに、経営者の倫理感の欠如を感じる。
小林製薬の紅麹のサプルメント死亡事件にも、似たような品質管理の問題があったのではないか。紅麹の遺伝子検査では、有毒物質を生むような遺伝子変異は見つからなかった、という。工場で、アオカビの発生した原料を使ったか、製造工程で不衛生な事故が遭ったのを隠していたのか、何かあったのではと疑う。内部告発があれば死亡事件までに至らなかったと思う。
日本には、個人の良心より、組織への忠誠を重んじる風土がある。
けさの朝日新聞が、日本維新の会の馬場伸幸代表は足立康史衆院議員の投稿めぐり党紀委員会を招集すると報じた。足立が、4月の衆院東京15区補選で行われた党の機関紙配布が、公職選挙法に抵触するおそれがあるとSNS上で指摘したためである。
これも、組織防衛を優先する風土の例である。個人の良心を優先する風土に変えないといけない。
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