ダル8連勝で10勝!涌井に勝った
【日本ハム8-3西武】好調ハムが熱パの主役だ。日本ハムのダルビッシュ有投手(20)は2日、西武戦に先発。涌井との“同期20歳対決”が注目された中、5回0/3を4安打3失点に抑えて8連勝。プロ入り2年目で初の10勝目を挙げた。また、ソフトバンクが単独首位に浮上、上位3球団が1・5ゲーム差内にひしめき合う空前の大混戦となった。
記念品に無とん着なダルビッシュがウイニングボールを大事にバッグへしまい込んだ。「変な勝ち方ですけど大事な試合。勝ててよかった。野手の人に助けられました」。5回2死満塁のピンチで141キロ直球で片岡を一邪飛に封じた時には両手で大きくガッツポーズした。序盤に4点のリードをもらいながら6回無死から四球と連続二塁打を許して降板。胸を張れる内容ではなかったものの、喜びは隠さなかった。
「いろいろ比較されるから対戦するのは嫌でした。涌井が降板して気が抜けた?少しあったかもしれないです。“もう交代か”って。次は投手戦にしたい」
甲子園を沸かせたライバルであり親友との対決。常に互いの成績を意識し、刺激し合う半面、涌井が10勝を前に4戦足踏みした際には「あいつも嫌かなと思って」とメールのやりとりを控えるなど気遣いを見せた。昨季は故障や喫煙による謹慎などで出遅れ、涌井は1勝6敗とプロの壁に当たった。ともに飛躍の年となった2年目、プロの舞台で初めて実現した対決。不満足な内容ながら、1敗1分けと分が悪かった高校時代のリベンジを果たした。
5月24日の巨人戦(東京ドーム)で敗れて2勝5敗となって以来、無傷の8連勝に「負けないッスよね。2ケタは勝たれへんやろと思っていた」と不思議そうな表情をみせたダルビッシュ。ヒルマン監督は「白星がついてよかったけど、中盤に先頭打者を歩かせてしまったのが次への課題」と注文をつけることも忘れなかったが、チームは3連勝で1・5ゲーム差内に3チームがひしめく大混戦。20歳右腕の連勝が伸びれば伸びるほど、25年ぶりのリーグ優勝は近づいてくる。
≪クリーンアップが爆発≫主役と脇役がかみ合い、ダルビッシュを強力援護した。1点リードの3回に3番・小笠原が自身6度目の30号に王手をかける特大29号ソロを放つと、5番・稲葉は右中間へ21号2ラン。7回には4番・セギノールが中堅へ140メートルの19号ソロを放ち、今季初のクリーンアップそろい踏みだ。小笠原は「何を打ったか?分からん。余計なことは考えず、1球に集中できた。この1勝は大きい」と振り返った。9回2死満塁では今季「リリーフ捕手」として活躍する20年目の中嶋が走者一掃の左翼線二塁打。「きょうのビールはうまいね」との問いかけに「一番いいのは勝ってやるやつですから」と優勝によるビールかけを熱望していた。
<西武 2位転落…伊東監督が涌井を酷評>涌井の乱調が響いて大敗。8月4日以来29日ぶりに2位に転落した。ダルビッシュとプロで初めての直接対決となった涌井が、5回までに2発を含む7安打で4点を失って降板。打線は6回に4安打で3点を奪って追い上げたが、中継ぎ陣が終盤にも失点を重ねた。シーズン1位へ向けて大事な2連戦の初戦を落とした伊東監督は「もうゴールが見えている時期に、こんな投球をされたらこの先が不安。疲れもあるだろうが気持ちでカバーしないといけない」と先発右腕を酷評。涌井も「相手(ダルビッシュ)のことは意識しなかったけど、自分の投球ができなかった」と肩を落としていた。
≪斎藤指名はプロ志望届提出待ち≫試合前、埼玉・所沢の球団事務所で伊東監督も含めて来季に向けての編成会議が行われた。25日の高校生ドラフトに関しては鷲宮の増渕竜ら即戦力投手を中心にリストアップ。また、早大進学かプロ入りかで揺れる早実の斎藤について前田編成本部部長は「プロ志望届が(締め切りの)15日までに提出されるのならば球団として指名するかどうかを検討する」と現時点では静観する姿勢であることを強調した。
(スポーツニッポン) - 9月3日6時3分更新





かって甲子園を湧かせたふたりはプロになってもライバルで張り合っている。
あの年の甲子園は、ダルビッシュ(東北)、涌井(横浜)、で盛り上がっていた。
忘れられないのは、大西君(京都外大西)が、「なんとしてもダルビッシュ投手と甲子園で投げあいたかった。」と対戦できずに終わってしまった悔しさの残る言葉が印象的であった。